第20話魔王軍VS逃げてきたパーティー

瓦礫と化した街を走る。

余り魔王軍はいなかったので、楽に行けた。

途中何人か人を助けたり、合流して、ちょっとしたパーティーが出来上がっていた。

「これからどうします?」

走りながら聞く。

「逃げるしかないだろ。」

「何処に?」

「山の中か、また違う国へ逃げるか。」

「あては?」

「無い。」

だろうな。

「じゃあ適当な山の中にで…」

「止まれ。」

急に止められた。

「囲まれた。しかも結構強い。」

「まじかよ。」

「まじだ。」

少し見渡してみる。

どうやらほんとに囲まれているらしい。

「やべえな。」

「剣を構えろ。生きたければな。」

俺は稽古の時に渡された剣を強く握った。生きるために…


相手は、20体くらいの魔物。種類は….見たことないやつだ。知らない知らない。鎧を纏っている。

ハッキリ言って得体の知れないものと戦うのは怖い。得体の知れないものの時点でこわい。

たが戦うしかない。剣術だけで。

「魔法が、使えればな。」

無双出来たかもな…。


唐突に戦いは始まった。

俺はおやっさんと、行動する。

おやっさんや他の人達は、普通に敵を薙ぎ倒していた。

もしかして、結構強い?

俺はたまに隙をついてこかしたり石を投げたり、振り下ろされた剣を受け止めたりして何とか凌いでいた。結構剣術が役に立ってる。

勝てると、思った。

ヤツが来るまで。


そいつは唐突に現れた。

現れて、最初の一撃で、パーティーメンバー五人をぶっ飛ばした。

顔は牛、体は人間。ミノタウロス…。手にはごつでかい斧を持っている。

「アレはヤバいな。」

おやっさんも驚いている。

「倒せますかね?」

「倒せる。」

即答。この人強くね?


ミノタウロスは、おやっさんのほうを見ると吠えた。耳が痛い。物凄い衝撃だ。吠えただけで。

すると不思議な事におやっさん目掛けて魔物が押し寄せてきた。他のメンバーそっちのけで。おやっさんが危ない!ということは勿論近くに居る俺も危ない。やべえな。


俺とおやっさんは、奮戦した。俺は防御専門。たまに隙をついて騙し討ち。トドメはおやっさん。そのようにして何とかした。

そして周りのやつを倒し終えた時。

俺とおやっさん以外生きてる人間はいなかった。

ミノタウロスは、数多の屍の上に立っていた。

絶望的だ。







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