第21話VSミノタウロス

「あいつ、相当頭が切れるな。牛のくせに…。俺を雑魚相手に戦わせて疲労させやがった。」

おやっさんの目付きが変わった。

「牛…焼いたら美味いですかね?」

「美味いかもな…」

「こんな時に死体とか絶望的な状況とか見てその冗談が言えるお前凄いな。」

「冗談でも言ってないと……死ねる。」

手が震えている。剣が、握れない。

立つことすら難しい。

「でも、お前は立っている。動けるな?」

おやっさんは、ミノタウロスを睨みつけた。

「行けます。」


おやっさんは、走り出した。

ミノタウロスは、斧を振り上げる。

その時、おやっさんは、

「喰らえ!《爆裂》」

そう叫んだ。

おやっさんの剣の先から炎が吹き出しミノタウロスの頭部を吹き飛ばした。一瞬の出来事でした。

「よし、逃げるぞ!」

凄い!とか言わせる暇をおやっさんは、与えてくれなかった。

この人つええ。


俺とおやっさんは、瓦礫と化した市街地を駆け抜け王都を脱出した。

そして、近くの山に逃げ込んだ。

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