第18話北へ行く。つまり…

「いいか、ぼうず。死にかけたらそこで戦うことを辞めて逃げろ。生きる事を考えろ。分かったな。」

「おう。」

俺は、走りながら答える。


北へ逃げるか南へ逃げるか。

どっちにしよう。

「北へ逃げるぞ。何となくだ。」

「何となくか。」

恐らくどっちに逃げても同じだろう。

取り敢えず生きる事を考えれば良いのだ。


逃げる時あちこちで爆音が轟いた。

悲鳴が聞こえる。



俺はただおやっさんと共に前を見て走った。

が、止まらざるを得なくなった。

前に何かがいた。そいつは家を破壊していた。


「おやっさん、アレは?」

人型だが、人では無い事はすぐに分かる。

何故ならそいつの額には角がはえているから。

日本なら一般的に奴らはこう呼ばれている。

「鬼…」

俺は小さく呟いた。



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