第48話 最強は撲滅を齎す⑱
[[白聖] よっ]
[[ren] 死んでるのかと思った]
[[白聖] 灰じゃねーだろ?]
[[ren] 燃えカス]
[[白聖] うわー。renが鬼だ。バフくれバフ]
[[ren] k]
シロと意味のない会話を成立させつつ、バフをかけなおしトランスパレンシーをかけ直す。目的のPTはこの更に奥にいるとのことで、ここからでは見えないらしい。
では何故そんな寝そべってたのか? と聞いたところ、暇つぶしだそうだ……ここにもキヨシの同類がいたとそう思った。
シロはよくキヨシに対して突っ込みを入れているが、長い付き合いのある私やメンバーからすれば装備からして同類なので、シロが突っ込みを入れるたび違和感を感じてしまう。
[[白聖] うんじゃま、いくかー]
[[黒龍] 先生、宮、キヨシのモブ処理してやって!! 死ぬwww]
[[ren] k]
[[大次郎先生] キヨシ! 動き回るなモブ増えるだろ!]
[[キヨシ] いたいたいたいあたいあた]
[[宮様] タゲ来るから。キヨシィィィ]
[[ティタ] キヨシ日本語plz シロ、renもう直つくから待って!]
『キヨシ、死んだな』
『y』
『まだいきてるよぅぅぅ』
『あ、そういやPT組んだままだったな……』
シロの合図で歩き出した途端、善悪ではキヨシがやらかしてる最中だったらしく先生たちの慌てふためく様子がクラチャから伝わった。ティタがこっちに来るということで木に戻り、PTチャットでキヨシが死んだと話していれば、生きていたらしい。
腹が減ったと言うシロに、アイテムボックスから買い置きしておいたお好み焼きを渡す。それを食べつつティタを待つ。
[[白聖] やっぱここのうまいよな~]
[[ren] y]
[[宗乃助] 行くPT間違えたでござるよ……]
[[黒龍] ちょっ、何食ってんだよー。こっちカオスだばかやろー]
[[ティタ] もうちょいでつく~。後で俺にもちょうだい]
[[ren] PK終わったら渡す]
[[ティタ] さんきゅー。お金その時に渡すわー]
[[ren] ただでいい。今度別なの奢って]
[[ティタ] 了解]
[[大次郎先生] 私にもお好み焼き]
[[ren] PT違うから?]
[[宮様] 何それ、じゃぁ今から沼に走るわっ]
食い意地の張ったクラメンたちが次々と沸きだす……正直、もうティタの分しかないんだよな……。
後で買いに行ってやるかと思い、お好み焼きを口に運んでいるとティタが凄い勢いで走ってくるのが見えた。残りを包みアイテムボックスに仕舞い、範囲内に入ったことを確認してバフを再度かけ直す。
[[白聖] じゃぁ~いくか~]
[[ティタ] k]
[[キヨシ] マジ死んだかと思った~]
[[ren] k]
[[黒龍] お前はばかか!]
[[ゼン] 大変そうだね……]
[[ヒガキ] 本当にそうですね]
[[大次郎先生] とりあえず、24Fまで登ろう]
ゆる~く出発する私たちとは違いなんとか、処理を終えたらしい黒たちのPTも漸くスタートしたようだった。シロからどのあたりか聞けばここから更に3分ほど歩いたところらしい。
ティタを戦闘に、私を挟みシロが後を歩く。作戦としては、シロのステフ プラウセスで麻痺させつつみかんを最優先で狙う。
攻撃してきた者、帰還の警告を出しても、帰還しない者に関しては殺すことで決まった。
マップにはプレイヤー1PT分の表示はあるが、囲むように岩が詰みあがっているため、みかんがいるかどうか、岩越しに少し登り中を確認する。
[[白聖] いるな。どっからいく?]
[[ティタ] ディティク無さそうだし、普通に入り口からいけばどう?]
[[ren] 中入ればどうせモブ反応する]
[[白聖] じゃぁ、正面から走りますか]
[[ren] k]
[[ティタ] k]
正面突破で走ることが決まり、さっそく個別バフを入れ入り口で様子をみつつ、引き役がモブを引くのを待ち一緒に走って近寄る。
引き役が位置に付き、モブの処理がはじまる。それが終わるのを待ちディティクションを打ち上げると同時に、ティタがみかんに詰め寄り、シロがステフ プラウセスを打ち込んだ。
「野良PTに告ぐ。キャラ名→みかんはグランドロール復活の手助けをしていた。
Bloodthirsty Fairyの敵対と知りつつPTに加えていないのであれば一度は見逃す。
30秒やる、今すぐ帰還するか、殺されるか選べ」
ティタの宣言に、騒然とした後、慌てた様子でみかん以外の野良PTのメンバーが、帰還の護符を使うためポータルへ移動して行った。
「もう麻痺は解けてるだろ?」
「あ……なっ、なんで……」
「なんで? うちとグランドロールが戦争してんの知ってるだろ?
知っててお前らは奴らに手を貸した。つーことはだ、俺らにとってお前らは敵だ。
あいつらに手貸したこと、泣きながら後悔しな」
そう言うと、再度みかんへステフ プラウセスを打ち込むシロ。それに合わせるように、私もティタもみかんを囲み私はサイレンス(+25)を入れ二刀に持ち替える間に、ティタは、二本の剣に炎を纏わせ攻撃をはじめた。
ティタが正面から腹や首を狙い、私は背面から背中や太ももへ刀と剣で切りつけダメージを与えていく。それを縫うように、シロのサンダー ショット が飛来しみかんの身体を射抜いていけば、ものの2分ほどでみかんは灰色になり沈んだ。
「これで終わりだなんて思わないでね?」
口角があがり笑って見せれば、みかんは残像を残し消えて行った。
三人で沸きまくったモブを処理しつつ、ポータルへ向うつもりだったのだが思いのほか楽に狩れることから、ついティタを引き役にシロが、ダウン プルでタゲ飛びを防ぎ、その間に私がドラゴン オブ ブレスを使い倒すと言う狩りに興じてしまった……。
10回ほど繰り返しやったところで、黒たちからクラチャでどうだ? と問い合わせが来た。ヤベっと三人で顔を見合わせ笑い合う。
[[黒龍] どうだー?]
[[ティタ] あぁ、うん大丈夫]
[[白聖] もう終わった~]
[[キヨシ] 狩りいこうぜー]
[[大次郎先生] うん。PK飽きたし、狩り行こう]
[[ren] 沼にいるよ?]
[[宮様] そっちいくわね~]
[[宗乃助] まさか……狩ってたでござるか?]
[[ティタ] ハハハハ]
[[黒龍] おまえらぁ]
バレた。そりゃそうだわな。狩り行くにしても名前が薄くなっている時点でバレる訳で……。
どうせバレタのならとそのまま三人で狩りを続行しつつ皆が来るのを待つことに、その後4回ほど引いたところで、黒たちが合流すると流石にここでは狭いということで、場所を移動することになった。
私たちが移動した部屋は、最も奥にある二部屋の続き部屋を選び、その部屋の続きの部分を待機所にしつつ狩りをする。ティタと黒でひとつの部屋を左右から回り、中央を引いて帰って来ると言う引き方だ。
個別のバフを更新しつつ、先生と宗乃助が3分に1回ぐらいの頻度で、ディティクションを交互にうちあげる。
[[黒龍] いってくるわー]
黒の言葉を合図に、設置型のバインド(+18)を設置する。
二人が走りだし壁沿いを走り合流すると同時に、中央を通ってモブを引いて返って来る。
ジグザグに走りタイミングを合わせるように、嵌りやすそうな位置へ同時に入り込む。
黒のレンジ ヘイトのエフェクトが上がり、シロがダウン プルを入れる。間をおかずバインドを発動させ三人の武器が変更したのを確認して、ウィンド ウェポン(+20)を入れる。
それが済む頃、宮ネェの全体回復が入りキヨシのトルネードが、モブへと叩き込まれる。私も今回は攻撃職となり杖を持ち替えドラゴン オブ ブレスを発動させた。
危なげなく2時間ほど狩りをしたところで、さゆたんが戻ったため一度帰還することになり、その際こっそりティタに約束したお好み焼きを渡し、補充ついでに買いに行ったのだが……今日は既に閉店した後だった。
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