第41話 最強は撲滅を齎す⑪
善悪の塔にのぼりはじめて、20分ほどが経った頃漸く50Fへと到着した。
火力だけはゴリゴリにあるPT編成なので……処理速度だけは以上に高いと言える。
50F登る手前でディティクションを打ち上げ、敵対の影が無い事を確認してからバフを更新する。
今回は、ボスを見つけた場合の予備として、個人バフも全て含め更新しておいた。
・ティタ、宗乃助、さゆたん。
・黒、キヨシ、宮ネェ。
・先生、私、シロ。
それぞれ三人ずつ、三つの班に別れ、結構な広さのある50Fを捜索する。
50Fにのぼり、早速捜索を開始。
入り口から右へ向う二つの班と別れ、私たちは左からの捜索だ。
[[宗乃助] renはいつ、本気装備になるでござるか?]
[[ren] 敵対に強いなって思う人が居れば]
[[白聖] 花魁衣装ここだと目立つよなー]
[[ティタ] シロには負けるぞ?]
[[ゼン] キンピカですもんね]
[[白聖] いいだろー?]
道を隈なく回りつつ、先に気取られれば逃げられる可能性を考え、ディティクを打ち上げることなく進む。そんな中、宗乃助の素朴な疑問から、シロの装備の話になった。
シロは兎に角目立ちたがりのカッコ付けというか、リアル爽やかなイケメンだったわよ~。とは宮ネェの談らしいが、どうみても爽やかなイケメンには見えない装備だ……全身金色にするとか、ちょっとネジが緩んだやつしかしないだろう。と最初見た時に突っ込みをいれた……。
それぐらい、クローズで会った時から金なのだ……名前も金聖にすれば良いのにと言ったことがある。そしたら、金聖取れなかったんだよ! そうキレられたのも今ではいい思い出だ。
そんな干渉に浸り、マップを見る一瞬だけプレイヤーの表示を捕らえた。
[[キヨシ] アント詰まりすぎじゃね?]
[[ren] 右上。プレイヤー居ると思う]
[[白聖] k]
[[黒龍] いねーなぁー]
[[宗乃助] 人数は?]
[[ren] 一人しか見えなかった]
[[宮様] キヨシ燃やすんじゃないわよ!]
[[宗乃助] 承知。確認するでござる]
他のメンバーの会話を気にしつつ、二人へ報告する。
宗乃助を先頭に、シロを挟み私が殿で迷路のような道の中でも、できるだけ相手に気取られ難い道を選び移動する。
[[宗乃助] 見えたが、違うようでござる]
[[大次郎先生] シロたちがこっちからも確認できた]
[[黒龍] 俺らも見えたぜー]
[[白聖] んじゃ移動すっか。ボスもこいつらがやってるし]
[[宮様] 帰る前に各班ごとにその場でディティク上げてちょうだい]
[[大次郎先生] そうだな。帰還の護符使ってポータル戻ろう]
残念なことに、この階層ではグランドロールを発見するには至らなかった。
シロの提案に先生が同意を示す。
宮ネェの言葉通り、ディティクションを上げマップを確認して本当に居ないのを確認して、一緒に居る二人が消え、自身も帰還の護符を使った。
ポータルに到着すると同時に、キヨシがディティクションを打ち上げていただろうエフェクトが見え、早速バフをかけ直す。
次は51から60だ。57からはゲイザーが沸くため、その処理をしつつ向うことが決まった。
バフが終わり、さゆたんがディティクションを打ち上げそのエフェクトが消えると同時に、トランスパレンシーを入れ、51階へと移動した。
[[ティタ] 60に居ればいいなー]
[[黒龍] マジ。いてくんねーとつまんねー]
[[白聖] そうだよ。俺なんてPKのために彼女とのデート、ドタキャンしたんだぞ]
[[さゆたん] シロ最低でしゅ]
[[キヨシ] うわー。シロ勇者だなー。俺の彼女ゲーマーだからそこは問題ねー]
[[大次郎先生] え? キヨシ彼女いたの?]
[[宮様] 先生驚くとこそこなの? シロ、振られるわよ?]
[[白聖] あー。もう別れた]
[[黒龍] ちょ、キヨシマジで彼女いんの?]
[[ティタ] シロ……南無(-人- <チーン]
[[キヨシ] おー。いるぞー。普通にゲームデートとかしてる!]
[[さゆたん] ティタが顔文字使ったでしゅ……]
[[ゼン] キヨシ君の彼女。すごい大人しい可愛い感じの子ですよ]
[[白聖] キヨシ殺そうぜ……]
[[黒龍] おう。協力してやる]
[[ティタ] 俺も参加~]
[[ヒガキ] じゃぁ、自分も?]
[[ren] 真面目にやらないとカリエンテ]
51Fから52Fへ向いつつ、クラチャが盛り上がるのはいいのだが、キヨシに彼女が居ると言う会話から食いつくメンバーが続出した。いい加減、階段を登りたい私は、騒がしいクラチャの空気をぶった切り、カリエンテと告げた。
あからさまに視線を逸らすメンバーたちに視線を送りつつ、黒に顎で早く登れと伝えれば、慌てたように全員が移動した。
PK中に不謹慎だと怒ってやりたい……とこではあるが、猛獣でやらかしたことが未だ尾を引いているので、怒るのは止めておいた。
52Fからはスイスイ進み、54Fでディティクションを打ち上げて周囲とマップを確認し終え、バフの更新とトランスパレンシーをかけ直した。その後、特に問題もなく59Fへと到着する。
[[黒龍] いたわー。アクセル]
[[ティタ] あー。いるな、アクセル]
[[キヨシ] マジじゃん、アクセルいんじゃん]
[[さゆたん] アクセルでしゅね]
[[宮様] 居たわね。アクセル]
[[大次郎先生] お前たちねアクセル以外もいるだろw]
[[白聖] あれがアクセルかー。見るからに雑魚そう]
[[宗乃助] いるでござるよ。3PT?]
[[黒龍] とりあえず降りるぞ]
60Fに登ったところで、黒のクラチャを皮切りに全員が、グランドロールを視認した。そのまま突っ込むのは
ディティクションを打ち上げ、敵対が居ないことを確認してバフの更新をやり直し、トランスパレンシーをかける。
[[ren] k]
[[宗乃助] いつも通りメイジからでいいでござるか?]
[[大次郎先生] ボス狩り始めてからやるか]
[[ren] ダメ。紙装甲死ぬ]
[[大次郎先生] わかった。じゃぁ、ディティク打ち上げと同時に
アクセル優先で、黒、ティタ、宗乃助、シロは動いて
宮は、黒に。シロと俺は宮の護衛優先。
ren、キヨシ、さゆたんは、メイジ最優先排除で]
[[宮様] ここは帰還の護符使えるから、絶対逃がさないでね!]
[[大次郎先生] そうだな。アクセルだけは殺そう]
59Fの階段で方針が決まると頷き合い。
60Fへと登る。相変らず何にも考えていないのか、ディティクションすら打ち上げないグランドロールのメンバーたちを見つつ、黒たちが配置に着き、メイジ職最優先で排除できる黒たちとは少し離れた位置へ着いた。
[[さゆたん] ディティク担当するでしゅ!]
[[大次郎先生] カウントいくぞー]
[[大次郎先生] 3……2……1……go]
先生のGOの合図で、さゆたんがディティクションを打ち上げ、私たちの姿が
そのタイミング狙ったように、さゆたんとキヨシが同時に、サンダーストームを発動させ、シロがダウンプル アロー ――三次職弓装備職専用スキル。指定下範囲内に大量の矢を降らせ足止めするスキルだ――を使う。
間髪いれず、足止めを食らった者たちを、さゆたんキヨシが、フリーザー ――三次職魔法攻撃職にのみ使える魔法。ダメージは少ないが、5分間相手へ凍りつき動けなくするデバフを与える――を使い、氷付けにしていく。
ティタ、宗乃助、黒、先生がアクセルを囲みダメージを与える間に、私は魔法職と思われる者たちへ、サイレンス(+25)を入れNPC化しつつ、近くにいる盾にペトリファクション(+25)を入れた。
[[ren] マジックフェイス サイレンス無効]
[[さゆたん] k]
[[キヨシ] k]
サイレンス(+25)が効かない相手の名前をクラチャで告げれば、魔法攻撃職の二人がその相手を狙い打ちしてくれる。
[[黒龍] ren 余裕あったらAB]
[[ren] k]
黒の指示で、取り囲まれたアクセルにアーマー ブレイク(+25)を入れた。
アクセルの頭上に鎧の砕けるエフェクトが見え、設置型魔法バインド(+18)を設置し発動させれば、黒たちの周囲に集る敵の半分を攻撃不能にする。
これで黒たちの周りには肉壁ができ、多少だがダメージを減らす事も可能だろうと考え、任されたメイジたちへ攻撃するべく元の場所へ引き返した――。
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