最終章 凍てつく大地

凍てつく大地に、風が吹きすさぶ音だけが聞こえる。


無機質なコンクリートの壁に囲まれた部屋の中。


ニコライは乾燥した手の中にある一枚のコインを見つめていた。


傍らにいた少年が不意にたずねる。


「見た事ないコインだね。どこの国のお金?」


ニコライは静かに答える。


「うん、拾ったんだ。花の模様がキレイだろ。だからお守りにしてるんだよ…。

さぁ、さっきの続きをしよう。」


少年はニコライの横で、銃のメンテナンスをはじめた。



−–−–−−–−–終−–−–−–−–

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鈍色の桜 あいだ なつ @38c365nm

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