第36章 警察署
〜警察署の取り調べ室〜
賀原絹代の父親は任意同行に応じて、自分のした事について全てを話した。
絹代を殺したのは父親である自分だと言うこと。
その後、突然やって来た外国人に拘束され、その間に絹代の遺体はホテルの部屋から持ち出されていた。
どうやったかまでは知らない事。
一緒にホテルに居たのは再婚した相手である事。
外国人に口止めされていたのに加えて、捜査が滞っているのをいい事に自首しなかった事。
その外国人の顔が刑事の持ってきた写真に写っている人物と似ている事。
月島刑事は溜め息をついた。
父親の供述はおおむね信用出来るものだった。
絹代の着ていたワンピースの特徴や利用していたホテルなど、合致点はある。
月島刑事には、ニコライが何故、賀原絹代の遺体をあそこまで処理する必要があったのかよく分からなかった。
捜査が自分へ及ぶのを恐れて、そこまでやったのだろうか?
死体遺棄罪の公訴時効、3年。
死体損壊罪の公訴時効、3年。
いずれにせよ、もうニコライを追う事は出来ない。
再婚相手の女にも、犯人隠避の罪が問われたが既に時効を迎えていた。
賀原絹代の父親は、残り少ない余生を刑務所の中で過ごす事になるだろう。
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