memory:115 高きへ至れ!ストラズィール!!
データから導かれる事象と、オレの視界を埋め尽くす高次元事象へ明確な繋がりを確認した時、弾かれる様に通信を放っていた。それは今まで人類が解き明かす事ができず、一部の霊的な感覚宿す者達とのやり取りでしか判断できなかった、あらゆる霊的超常現象の本質へ辿り着いたから。
それは奇しくも、世界の万物全てが宇宙に内包されている事実に他ならなかったんだ。
揺るがぬ事実を目の当たりにするや、脳裏へ過ったのは過去。義理の弟であり、地球で唯一と言える先天覚醒を経て生まれた
「だめだな……オレではどうにも、君の言う世界を感じる事ができない。やはり草薙家で
「つか兄貴……んな
「こんな一般人でも、君が推してくれると言うならば自信も持てるか。」
「……なぁ。いい加減俺をちゃんと
己が覚醒する事によって、それを全て解す事になろうとは思ってもみなかった。
「各ストラズィールに告ぐ! これより機体の通信網を、
義弟が言う高次元は、物質と霊質が交わるカラビヤウ空間にまで至り、それら空間を伝搬する
そもそも
『高次元シフトとか、マジやばじゃないですか! スーパーロボットものでも神設定キタコレ! 準備はいいです、私的に!』
『てか、何が何だか分からないし!? ……と、これでいいっポイ!?』
『ナルナルの説明は置いとくとして……こっちも準備完了だ!』
だが生まれるのはデメリットだけではない、想像を絶するメリットが確かに存在し、高次元干渉が可能な人類だからこそそれは得られるとも言っていた。
『機体の通信管制をハイレイト・イスターリジョン・チャンネルへ……こうだね!』
『俺はいいぜ!
『大丈夫だよ
そしてそれはストラズィールと言う超常の機動兵装のみならず、ヒヒイロカネと言う伝説上の超金属までもを有するオレ達にとっての切り札になる。ヒヒイロカネは元来、高次元に干渉が可能な古代超技術の産物と聞き及ぶ。
あらゆる宇宙の次元の壁を超越し、低次元から高次元までの霊的なエネルギーを増幅・伝搬する力を備えているとまで言わしめるものなんだ。
「行くぞ……このオレの覚醒の力を子供達へ――」
«
全てを解し、全てを受け入れ……今オレは
それにより、機体に現状かかる物質上の起動制限を解除し、機神が機神たる真価を最大限引き出す。これより霊装機神は、真に神代の時代の機動兵装へと姿を変えるんだ。
「ストラズィール・ゴッドレイド形態開放! 悪鬼を討ち滅ぼす神代の鉄槌宿せ、我らが
ほどなく彼らは、眼前の宇宙に
†††
その日、広大な太平洋へ余す事なく降り注いだのは、神々が降臨したかと見紛う黄金光の
神々が降臨したとの例えは何ら誇張などではない、六体の巨大なる霊装の巨人が撒いた、希望の後光に他ならなかったのだ。
「ゲイヴォルグのシステムが……それにこのエクシヴ・カノンの形状と想定ダメージ……マジですか!?」
『
「ミョルニルの腕部が回転式のブレードを……!? これで奴の巨大な体躯の、邪魔な装甲も剥ぎ取れる!」
「ガングニールも同じっポイ! しかもこの制限解除状態のスラスターブーストを使えば、ドリルなランスキャリバーでの突撃速度を一気に引き上げられるよ!」
『
続く様に、
さらには
『
『これこそ君達がストラズィールを持って生み出す、三神守護宗家の秘術……封じの
「すげぇな、それ! 俺達で守護宗家の技を放つとか……! ゆーちゃん、準備はいいよな!」
「うん、
「まかせるでやがります! ここがあたしらの、実力の見せ所でやがりますからね!」
「腕がなるであります! 自衛隊のエンブレムに恥じぬ活躍……見せ付けるであります!」
一撃必倒の狙撃と同時にトドメを担う、
「俺と
「言われなくてもですよ、族さん! 私達こそが
『頼むぞ、我が教え子達! では、シャルーアの閃光弾を合図に散開! そこから一気に攻撃を仕掛ける! 行くぞっ!!』
異形穿つ全ての準備が整うや、暴れ狂う異形を押し止める六体の機神が、
そこより怒涛の反撃が開始される。五つに展開される
『ウゴォォォ……ガァァァ……!!?』
突如として訪れる負の情念エネルギー乱高下で、身を
「まだ……まだだ! その装甲を限界まで削り取れ! 負の情念の塊……霊的な負のブラックホールを生み出す核はその奥にある!」
二体の機神が激烈な攻撃に転じる最中も、覚醒の当主はその意識を高次元領域へ集中させる。霊的な負のブラックホールを生み出す核が、異形の体躯中心へ剥き出しとなる瞬間を、時空歪曲の予兆で察知するためだ。
やがて、あまりの激突の嵐で表層の有機機械装甲が剥がれ落ち、内部を構成する有機生命らしき内部構造も剥き出しとなる
「……っ! 異形の核を補足した! 各機敵の足掻きに備えて、トドメの二人を守ってくれ!」
『『『了解です!』』』
「よし……マッド・デーモンを、この地球から討滅する! その核を穿てフォイル・セイラン! そして禍々しき頭蓋を撃ち抜け、ゲイヴォルグ――」
「草薙流 対魔軍勢操術 無式……
放たれる一条の矢は一撃必倒の狙撃砲火。同時に対象へと飛ぶは、抜刀から刹那で異形の核を切り裂く魔断の閃撃。黄金の閃光纏いて襲撃したそれが、異形の足掻きを物ともせずに撃ち貫いた。
体躯を制御していた頭部と、深淵のエネルギーを生み出す核を一度に失った
ほどなく散り散りとなる魔の残りカスは、守護宗家の討滅の力によって浄化されて行くのであった。
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