=EPISODE.10=『LOST of CITY』

<第10部 プロローグ> ~ラスト・スタンド~


 街に現れた謎の黒ずくめ。揃いも揃って同じ見た目、同じ格好だ。

 両手にはカギヅメ、先端には猛毒が塗られている。突如現れた殺戮者達は反乱デモを引き起こす住民達を次々と惨殺していく。

 見せしめ逮捕ならぬ見せしめ処刑だ。その風景はいつの日か見た”メージの街での光景”に酷似している。


 『逆らうな。従え。』

 新市長オルセル・レードナーにより差し向けられた刺客。


 その処刑人達の頬には----共通して”ジャイロエッジ”と、名前が刻まれていた。

 まるでバイオ人間……クローンとも言える量産人形。


 ……それだけじゃない。

 住民以外にも殺戮の対象とされる哀しき標的。


 魔族、デ・ヒューマン、そして現政府の人間。

 オルセルは次々と……反乱分子となりかねない存在。自身にとって都合の悪い存在と殺していく。

 処刑人間の活動。その後ろからついて来るのは本来護衛についているはずのガーディアン武装ロボ。全てがオルセルのコントロール。歴代稀に見ない混沌だ。

 血が。血のシャワーが街中に広がり飛び散る。悲鳴と命乞いの嵐。表舞台は笑顔の絶えなかったロックロート・シティは……文字通りの破滅を迎えようとしている。



「……盛り上がってるな」

 そして、更に現れる。

 制御不能の混沌がふたり。









 準備はいいか。








 これが、カミシロ・カルラの身勝手で屁理屈で。

 とにかくやりたい放題な。規律も何もない最後のヒーロー・ショウだ----

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