26 勇者、北部都市決戦(一)

 獅子浜復活の祝いの翌日、目を覚ました獅子浜は下の階へ降りていた。

 ギルド会館はクエストを受注する者達、朝食を取りながらミーティングをする者達で活気づいている。


 昨晩の晩餐は10人、20人と周囲の人を巻き込んでのどんちゃん騒ぎになっていった。最終的には会館内の人全員でのお祭り騒ぎになり、理由を知らない人達も片手に酒、片手に肉で騒ぎあっていた。


 しかし今この場にはそのような雰囲気はない。皆が今日これからの事へ真摯に向き合っている。

 獅子浜も気持ちを入れ替えて食事を摂り、これからの事を考え出した。

 ……

 …


 部屋に戻ったらまずは作戦会議だ。特に今、考えなければいけないのは、側近のブラッドカースと攫われたメイちゃんのこと。そして獅子浜を昏倒させた謎の魔人。

 だが、その内容に入る前にコウキがひとつ尋ねてきた。


「で、シシハマさん。体調の方はどうですか?」

「あぁ……。すこし、重い感じがするかな…。でも大丈夫、もう元気さ」


 獅子浜もこの違和感の正体はわかっていた。これは'魔力不足'だ。今は動ける状態になっているけども、普段の健康な時と比べてまだ魔力は少ない。

 身体が重く感じた理由はコレだろう。


「……そう。…でも、暫くは戦闘しない方がいい」

「そうするさ。心配してくれてありがとう、二人とも」


 二人からの心遣いに感謝して本題に入った。

 だけども、獅子浜が今戦えない以上出来ることは限られている。結局出た答えは冒険者への聞き込みと街中の調査だった。

 三人は夕方に再開する約束をすると各自で調べるのであった。

 ▪️▪️▪️



「この辺りに魔人が居ないかって?あっはっは!あんたさんのパーティがあらかた倒しちゃったじゃないか!」

 ………


「あらぁ……。この辺りで行方不明者…ねぇ…。申し訳ないわね。私、そういった事は特に聞いていないわ」………


「変なやつかァ……。おれゃ知らねぇなぁ。なあ!それよりあんちゃん、俺ん所で武器買っていけよ。冒険者で素手はまずいだろ!おれん所でいいもの揃えてやるよ!」

 ………


 街を歩いていた冒険者やその関係者に聞いても、返ってきたのはそういった返事ばかり。夕方になっても手掛かりはゼロ、しょんぼりとしながら獅子浜はギルド会館へ戻っていった。


 ギイッ………バタン…


 会館のドアをくぐり、屋内へ入ると先に戻っていたリーズ、コウキと目が合った。

 二人と目が合うと獅子浜はNOサインを送り、収穫がなかったことを知らせる。そうすると向こうも同じジェスチャーを送ってきた。

 どうやらあちらもダメだったようだ。


 獅子浜が二人のもとへ歩いて行くと、給仕がコウキのテーブルに小樽を二つ置いていった。

 中身は見るまでもなく分かる。酒だ。獅子浜も飲みたくなったので戻ろうとする給仕にもう一杯注文して席へ着いた。


「そっちも手がかりはなかったんですか…。ほんっと…、なんにも進展しないですよねぇー」


 そう言ってコウキは酒をぐいっと飲む。ぷはー、と幸せそうに声を上げると小樽とドン、とテーブルに置いた。


「……私も…。…調査は飽きてきた。またクエストに向かいたいかも」

「そうだよなぁ…」


 三人は気疲れからか上を向き、黙り込んでしまった。


「おやおや!これはリーズさん御一行。何やら調査しているみたいですけど、どうしてギルドに尋ねないんですか?」


 獅子浜たちの席へギルド嬢が割り込んできた。


「いや……だって。リーズちゃんかコウキ君がもうきいたんだろう?なら俺がまた聞く必要なんてないんじゃないか?」

「えっ……。俺はてっきりシシハマさんが聞いたのかと思いましたよ?」

「……女の子と話すのが好きなコウキが、もう聞いたのかと思ってた…」

……

……

「「「………………………。」」」


 三人の間に妙な沈黙が流れる。どうやら全員思い違いをしていたみたいだ。

 情報は素早く変化するもの。なにか気になることがあればギルド会館へ一旦尋ねるのが定石なのに……


 ──前もって……相談するべきだったな……。


「まぁまぁ!ここで気づけたので良いってことにしましょ!」


 場の雰囲気を察したギルド嬢が、口を開いて話し始めた。


「それに、すこし気になる件があるんですよ。それを皆さんに聞いて欲しくってですね……」


 そう言ってギルド嬢が今回の下水探査の事を話し始めた。


 ──

 この北部都市の地下には広く巡らされた水路があり、そこで治水を行っている。

 しかしその水路には昔から動物が住み着きやすく、巣で水が塞き止められたり、水質の悪化が発生。生えてきた植物の影響で水路の損傷等が度々起きてきた。

 その為、定期的に冒険者を地下へ送って簡単な整備や、損傷箇所の報告を行っている。

 ──なのだが、今回派遣した冒険者が予定日を経過したのに誰も戻ってきていないのだ。


 だから追調査として、腕の立つ冒険者に向かって欲しいのだ。

 これまでも度々地下で行方不明になったもの達がいたが……、このクエストは危険度も報酬も低い依頼。それに匂いが強い場所に行くこともある。

 力のある人に向かって欲しい一方で、そんな人たちにとっては割に合わず中々やってくれない問題があるのだ。


 そんな中、暇そう改め調べ物をしていたリーズ一行にこの話を持ちかけたのだ。


 ────


「……なるほど…。…私たちが暇そう、ね」


 リーズが少々呆れた顔でギルド嬢を見返した。何か不服なことがその顔から伺える。


「地下水路、だろー……。ちょっとなー……」


 コウキは何だか嫌そうな顔をして、頭をかいている。何か嫌なことが過去にあったのだろうか。

 できれば二人の意見を尊重したかった獅子浜だが、悲しそうな顔になってきたギルド嬢を見捨てられなかった。


「分かりました!地下へ向かいます」


 ──助けたい。力になりたい。

 そんな一心が獅子浜を動かした。

 勿論、コウキとリーズは呆れ顔。


「ありがとうございます!では早速、こちらで準備させて頂きますね!」


 笑顔になったギルド嬢はそう告げ、受付の方へ戻っていった。


「はぁ……、やっぱり。シシハマさん、いくらなんでも軽率ですよ」

「……同意。…もう少し考えて動いた方がいい」


 二人に愚痴を言われてしまった。それもそうだ、獅子浜が地下へ行くということはほぼ必然的にこの二人も行く事になるからだ。


「いやぁ…ごめんね。これが終わったらしっかりお礼するからさ」


「「お酒二杯(ですよ!)」」


 クエストが終わったら二人に酒を奢ることを約束すると、受付奥から戻ってきたギルド嬢に依頼書と地下地図を受け取り早速出発するのであった。


 ▪️▪️▪️



 コツン…コツン…コツン…

 サアァァーー…………


 人の立ち入らない地下地域。松明で足元を照らしながら進む獅子浜達の耳には、自分たちの足音と水の流れる音だけが聞こえていた。


「だーれかいませんかーー」


 コウキが声を上げる。周囲に反響しこだまのように響いていくが、それに反応する声はない。


「この辺りにも居ないようなだな」


 獅子浜が手元の地図に再び目を落とし、今いる地域にバツ印を付けた。

 もう地図には何ヶ所もバツ印がついており、この階層には人がいない事が伺える。


「……そう見たい。…先に入った冒険者は下の層にいるのかも」


 リーズはそう言って、「…はぁ…」とため息をついた。

 獅子浜は地図をめくり、もう1枚の地図を見るとその気持ちが理解出来た。

 第2階層の地図には、端に下水路地図と書かれている。恐らく……、いや、確実に臭いのだろう。

 獅子浜もげんなりするが、背に腹は変えられない。階段の場所までたどり着くと腹を括って降りていった。

 ……

 ……


 ──やっぱり臭い。

 生前、警察をやっていた時期に時折あった現場の匂い程ではないにしろ、臭い。アンモニアの匂いや大便特有の匂いが水から漂ってくる。


 ──早くここから出たいな。


 そう思いつつ獅子浜は周囲に「おーーい!だーれかいるかー!」と声を出した。

 しかし返事はない。

 三人は落胆し、地図にバツをつけると下水エリアの探索を始めた。

 ……

 ……


「しっかし……、動物の気配は特にないな。水路も破損の感じはないし、水路調査の方は特に問題ないんじゃないのか?」

「そうですねー…。下水路の方はともかく、上水路があんなに綺麗なのは珍しいっすねー…。俺が前に調査できてた時はもっと散らかってたもんですよ」


 そう言ったコウキは上を見つめ、考え出した。記憶を掘り返しているのだろうか。


「あんなに綺麗なのはまるで、以前いった探鉱みた……い………ッ!」「「ッ!」」


 コウキが発言を最後まで言い切ると、獅子浜と目を合わせた。

 あの何人も行方不明になった第一カイ山の鉱山と状況が似ている。もしかしたらこの奥には、何かがあるのかもしれない。


 そうと分かれば目的はこのフロアの散策ではない。この下、更にしたの方の区域だ。


 ──のんびりしていられない。早く向かわないと!


 そうと察した獅子浜は地図に示された下り階段へ走っていった。


「ま、待って下さいよシシハマさん!」

「……まって!…せめて、魔力回復!」


 後から二人も走って追いかけてくる。

 しかしそれを気にせず獅子浜は走り、目の前の道を右へ曲がり、先にある階段を降りて下の層へ降りた。


 長い階段の先、慎重に降りると今度はこれまでとはうってかわって壁に装飾が施された通路に出た。


「(これは……、遺跡なのか?)」


 周囲の様子が一変したことを気にしつつも、足場を確認しながら慎重に進み出した。


「ここから先は地図にない。道を覚えながら進まないと…」


 そんな訳あり、歩いていると後ろから二人が追いついた。

 どうやら結構走ったらしく、息も切れぎれだ。


「はぁ…はぁ…。シシハマさん。急に走り出すの辞めてくださいよホント。見失ったらどーするんですかホント」

「……はぁ…はぁ…。…本当にそれ。ここから先は探掘。目印を付けて歩かないと」


 そう言ってリーズはしゃがみこみ、床になにやら目印を書き始めた。

 白い棒で何かの紋章のようなものを書く。これは、いったい……?


「……シシハマ様知らないの?…これは迷宮でよく使われる合図。…分岐点に来る度にこうやって書いていく」


 そう言って円状の印を書き終えるとリーズは立ちたがり、獅子浜へマジックポーションを一本渡してきた。


「ああ、リーズちゃんありがとうね」


 受け取りがてら感謝を述べ、一気に飲み干す。以前飲んだ時と比べると効果は薄いが、力がみなぎるのを感じた。


「んーじゃ、行きましょっかー」

「ああ、お待たせ」


 二人がひと作業終えたのを確認したコウキが一声かけてきた。松明を振って軽く周囲を確認してから、先程向かおうとした方へ再び灯りを向けた。その時、…


 ビタッ…ビタッ……


 明かりの先から、僅かに音が聞こえてきた。──それはまるで、濡れた裸足で歩いているかのよう。


「おーい!そこに誰かいるのかー!」


 それを素早く察知した獅子浜は声をかけた。──しかし返事はない。

 足音の主は相変わらず一定の速度でこちらへ歩いてくる。


 ビタッ……ビタッ……ビタッ……


 松明の明かりの範囲に足が現れた。

 獅子浜の見間違いでなければ妙に浅黒い肌をし、汚れた服を着ている。

 獅子浜一行に緊張が走る。臨戦態勢に入った。獅子浜は一歩前に出て、左拳を強く握りしめた。


 ビタッ……ビタッ……ビタッ……


 足音の主の腹部まではっきりと見えてきた。顔はほとんど見えないが、ここまで来ればもう分かる。やつは、アンデッドだ。


「リーズちゃん!」

「……わかってる!」


 獅子浜は後ろに手を伸ばしリーズへ合図を送った。その直後には獅子浜の手に1本の瓶が握られる。


「そらっ!」


 獅子浜はびんの蓋を開けるとアンデッドに向けて勢いよく投げた!


 パリィンッ!!

 ジュゥゥーー


 ウブォォォォォ……


 ガラス瓶が割れて中の聖水がアンデッドに飛び散る。焼けるような音と共に叫び声のような音が辺りに響いた。

 グシャァ…とアンデッドは床に倒れ込み、動かなくなった。


「この先に何かある。急ぐぞ!」

「はい!」

「……うん」


 悪い予感が的中したのかもしれない。額に冷や汗をうかべて、獅子浜は目の前の通路を真っ直ぐに走り出した。


 この層の通路は思ったより単純で、何本かの大通りとそこから派生する小路で構成されていた。

 そんな道の中、獅子浜は自身の直感に従って進んでいった。


「(何故だろう……。この先で、誰かが俺を呼んでいる?)」


 謎の感覚が獅子浜を突き動かす。足に迷いはなく、目も一直線に正面を見る。


 そしてそんな獅子浜を待ち構えていたかのように、謎の青い光が向こうに見えてきた。

 それは扉の開いた部屋から溢れていたようで、部屋に一歩踏み入った獅子浜は入口で立ち止まった。


 ──なっ!


 周囲をみて驚く。獅子浜の立ち入ったこの部屋は、遺跡には似つかわしくない近代的な施設だ。まるで隠れて何かを研究していたような、そんな場所だ。

 だが、──


 コツン…コツン…


 再び足を動かし、その部屋を歩いて見渡しながら確信する。


 ──この部屋は少し前から使われていない。もう捨てられた場所だ。

 生前の仕事で時々見た事がある…。まるで、夜逃げした後の部屋のようだ。簡単に運べる物や貴重品だけを持ち出した、そんな状況だ。


「ここでは、何を調べていたんだ…?」


 気になるが、肝心な手がかりは無さそうだ。それに、のんびり調べる場合でもない。獅子浜は部屋の奥に大きな扉を見つけるとそこを開いた。


 ゴォン…ゴンゴンゴン……


 重苦しい扉は大きな音を立ててゆっくりと動く。その先はホールのような広い部屋が広がっていて……


「…ん?」


 視線がホールの中心部に向いた。そこに一人誰かがいる。──なんでこんな所に?いや、それよりもあいつは…!?


「おや…。お久しぶりですわね、勇者」

「ブラッドカースッ!?」


 振り向きこちらを見たその顔を見て、瞬時に頭に血が上る。全身に力が入る。見間違えるはずがない、あの女だ。

 仲間を攫った本人であり、魔王の側近であるブラッドカース。


「これはこれは…そちらから来てくださるなんて!手間が省けましたわ」

「俺に何の用だ!」

「簡単な、楽しいお誘いのお話ですわ」


 そう言ってブラッドカースは腕を挙げ、天井を指さした。


「この部屋にいた、多くのアンデッドを先程解き放ちましたわ。これから地上の街に向かって攻撃を開始するでしょう」


 先程のアンデッドはその群れのひとつか。一体一体は強くはないが、群れが一般市民を襲うのは…危険すぎる。


「お前がどんな残酷なことをしようとしているのか、分っているのか!?」

「ええ、楽しみですわね。アナタがどれだけのヒトを救えるのか、拝見させて頂きますわ」

「ふざけるな!一般市民を巻き込むんじゃない!今すぐアンデッドを連れ戻せ!」

「それは出来ない相談でしてよ。ではまた後で逢いましょう!」


そこまで言ったブラッドカースは手元に魔方陣を作り出し、自身の足元へ手をかざす。何度か見たことがある。爆煙を利用して姿を消すつもりだろう。


「ま、待て!」


獅子浜が止めようとしたが、意味はない。ドゴォォォン!と激しい音を立てて火炎球を発射、爆発。

 部屋前方が黒い煙で包まれる。激しい熱と風で獅子浜の視界は塞がれ、追いかけることは出来なかった。


「ごきげんよう。アナタも早く地上に戻りなさって」


 遠くからブラッドカースの声が聞こえてくる。しかしその声はどんどん遠くなっていく。この部屋から出ていったのだろう。


「クッ…!」


 獅子浜もここにいる訳にはいかない。素早く後方へ振り向き、走り出した。


「シシハマさん!…この煙!?。一体、何があったんですか!?」


 そのタイミングでちょうどコウキとリーズが研究室跡へやってきた。獅子浜の後方の爆煙に驚き、コウキが戸惑う。


「走りながら説明する。今はとにかく地上へ向かうぞ!」


 しかし今、街中に危機が迫っている。ここにいる場合では…ない!


「……わかった。…下水路までは私が案内する。…着いてきて…!」


 ポカン、とするコウキに対してリーズは状況を直ぐに飲み込み、元来た道の方へ向かって走り出した。


「お、おい俺も行くって。待ってくれよ!」


 リーズ、獅子浜が走って戻りだす後方に、コウキも慌てて着いてきた。


 遺跡層の道はリーズが正確にマークを残していたおかげで、迷わずに脱出できた。その上部の層は地図を頼りに進み続ける。


「シシハマさんっ!何があったのか…っ、教えて、下さいよ!」

「あの奥でっ…、ブラッド、カースに会った。そして奴が、街中に、アンデッドを放したらしい…っ!」

「ブラッド…カースにっ!?」


 走りながら話すせいで途切れ途切れの会話になる。

 しかしそれでも、事の重大さはコウキへ十分に伝わった。彼の顔色が変わり、焦りと怒りが浮かぶ。


 そんな中、三人は何とか地上への出口にたどり着いた。


 ハァッ……ハァッ……ハァッ………


 到着した安堵からか脚が止まる。ここまで走ってきたせいで呼吸は乱れ、脚も重くなる。両膝に手を付き、呼吸を整えながら現状把握のために周囲を眺めた。

────

──


 助けを求める叫び声が周囲一帯から上がる。

 あちこちに炎が上がり、家を失った人々が逃げ惑っている。いや、逃げるのは燃え上がる家屋からだけでは無い。街中をうろつくアンデッドからも逃げている。

 捕まった人は腕を噛みつかれ、喉元を噛みつかれ…。逃げられなくなればそれで終わりだ。倒れたところへ何体ものアンデッドが集まり、腹部を無理やりちぎられ中身をぶちまけられる。


 ネチョ……ネチョ……


 耳裏を燻るような嫌な音を立て、アンデッド達が人間の臓物を食べている。目を背けたくなる出来事が今、ここで起きているのだ。

 ギルドに属する冒険者がアンデッドを追い返しにきたが厳しい。獅子浜達の視界内にすらアンデッドが20以上いるのだ。人数差で不利すぎる。

 どこがで、教会に属する聖職者も動いているだろうが、…被害はどこまで抑えられるのだろうか。


 今見えているのは街のごく一部だが、恐らくこれは、街全体で起きているのだろう。


「ブラッドカァァァァス!!!」


 獅子浜は怒りに震え、天に向かって怒声を上げる。


 ──そう、ここは紛れもない地獄だ。


【第26話 完】

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