周囲からの期待を背負い、自信に満ち溢れていた海斗は、挫折を知る。
それは誰しもが体験しうる、有り触れたこと。しかし、それは彼の心を表情を変えてしまった。
そんな時、一人の女と出会うことで、再び彼の世界が色づき出す――

どうして今更になって、あんな時の事を思い出すのだろう。
と感じる時、ありませんか？　特に恋愛なんてそう。
この作品は、そんなあなたに新たな気付きをくれる作品かもしれません。

同じプロットから小説を作るという自主企画の作品です。

今回指定されたプロットはなかなか難しくて、参加された他の作者の方の作品を読んでいると、みなさんさまざまな調味料でそれぞれの味付けをして作品にしています。

ところがこの作品はプロットを正確にトレースした上で、調味料に頼ることなく極めて素朴に、しかし上手に作品化しています。

何も足さない。何も引かない。

そこにできたのは素材の旨味だけがぎゅっと凝縮された青春のストーリーでした。

これぞ天才料理人の快作。是非噛み締めて味わってみてください！