文章に海斗の人柄が表れているようでした。
最後のシーンがあることで色々と想像も膨らみますね。後悔だけで終わらないラストでよかったです。
ただ、陽子の言動にはいくつか疑問が残りました。
海斗が海に落ちたときに泳げないことは分からなかったのかな、とか、どうして脅しをかけてまで海斗に泳ぎを教えたかったんだろう、とか。
あと、一話目の『身動きしなくなった僕はすいーっと水面を岸に向かって動き出す。』が分からなかったです。
私の読解力のなさが問題のような気もしますが、折角の企画なので「分からなかった人もいるよー」という意味でお伝えします。
お気を悪くされたらすみません。
海斗のモノローグの部分などは、硬いのに読みやすく、勉強になりました。ありがとうございます。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
多忙のため、返信遅くなりました。
海斗目線なので陽子の行動原理が全部分かるのはおかしいので、ぼやかしましたが、確かに分かりにくいですね。
加筆修正いたしました。
此度は自主企画にご参加頂きましてありがとうございました。
冒頭のモノローグしかり、主人公の感性が語られる描写がとても好きです。彼は何を思って生きているのかが明確なほど、世界への没入感が上がるので、その点大成功していると思います。
あと、田舎と都会の差。
大変失礼なことをお伺いしますが、作者様は本編で言う所の田舎出身の方ですか?
と言うのも、私の仕事仲間で地方から出てきたことを気にしている方がいるのですが、その方から出る言葉や価値観に、主人公の感性が似ているのです。条件反射のように羨望してしまい、それゆえに言葉も届かない。
他にも、地方での描写(島から出ての辺りや、戻ってきたあとのエピソード、そして初対面で都会人だとわかる感じとか)がリアルでした。想像のものだとしたら、再現度が恐ろしいです。
人物像だとか世界観の描写の上で、とても重要な要点だと思いました。
特にこういう、状況から引き起こされる条件反射的な動作を書けるのは凄い才能です。
モノローグのしっかり感に、会話文とやり取りのポップさが心地よいです。個人的にキスシーンもとても好き。ドキドキしました。
一方で、中程、会話文との途中途中で、一部、地の文の弱い箇所が出てくる感じを受けました。
勝手に共感すると、私も会話文をつなげる地の文がとても苦手です。会話する中でのアクションを詳細に書くとリズムが悪くなるし、聞き手側の心情を書くとツッコミみたいで軽くなってしまい。
結果として、「○○は口を尖らせて言った」とか、端的なようで「本当に必要かこれ」とか、なんかスマートじゃない感じになってしまう。
それに近いような感覚を受けました。これは冒頭やラストなどのスキの無いハイレベルな文章と比較されてしまうことで、出てきてしまうのかな、と、個人的には思っています。
精神的な体力をすり減らす作業であるのは承知の上で、その辺り、「本当にこのワードで納得か」を視点に追い込むと、より味わい深いものになると思いました。
主人公の成長が見られる、今の彼を成すものが何かをしっかりと見られる作品でした。
ありがとうございました。
作者からの返信
素敵な企画を立ち上げられただけでなく、コメントまで頂戴し有難いやら恥ずかしいやら。
私は都会住みの身の上ですが、ルーツは結構な田舎です。今回の話に落とし込んだのは聞いた話が多いでしょうか。多くの方とお話しする機会があったので、人物像の引き出しは多いかもしれません。
まあ、この捻くれた自尊心むき出し感は自分自身の投影なんでしょうね。
会話文の途中の地の分の弱さ!
まさに仰る通りです。自分でもしっくりこないことがあります。でも、難しい。ベストじゃないけど、まあ、この程度でいいか、としたところを指摘されて、イタタタタとナイフで刺された気分です。
ありがとうございました。
生きざま!新巻陽子ちゃんは生きざまだよ!迷いない海の女!...いいなあ。最後、余韻を残して終わるのも良かったです。『きらり』はやはり思い出が似合いますね!面白かったです!
作者からの返信
ありがとうございます。
この陽子ちゃんはちょっとアレな登場のさせ方をしてしまいました。
反省してます。
へもんさん、こんばんは!
なんか強要してしまったみたいですみません、しかしこうしてへもんさんの作品が読めて私は嬉しいです!
すごくストレート(もちろん良い意味で)なお話で、淡々と語る海斗が良い味を出してますね。きっと頭は切れる方なのでしょう。語り口に知性が光ってます。
このプロットを正面から描き切ったその筆致、さすがお見事! さらには陽子のキャラがまた素敵。刃物をいきなり出すあたりちょっとアレかも知れませんが、登場時の陽子の緊張と、最後の海藻を切断する小道具としての登場が上手いなぁと思いました。
敢えて惜しいところを挙げるとするなら(指摘は苦手なのですが)最後の部分は陽子視点のお話ですかね?
すいません読み込みが足りなかったのか、少し唐突でちょっとわからなかったのです。
しかし最後に、こうしてその結末を出すのは私は好きなんで、ここは敢えて振り切って全面に押し出すのもいいんじゃないかな、って思いました。
ともあれ、高いレベルで描かれた一夏の成長物語、あっぱれでした!
素敵な作品に感謝です!
作者からの返信
いえいえ。
強要だなんてとんでもない。背中を押してもらえないと海に飛び込めないチキンというだけです。
ダイバーナイフを人に向けるのは確かにアレですね。
最後の部分は、一人称を僕から私に変えたので分かりにくかったですかね。最後の部分は成人後の海斗視点です。
ちょっと見直してきます。
とても丁寧に心情の描写を重ねていて、いいなあ、と思いました。ナイフを見せておくところもきっちりしてるなあ、と。
ひとつ物足りない所を上げるとすれば、海斗の勉強に対する変化はあるのですが、その結果が無いのがちょっと寂しいかな、と思います。
ノスタルジックな感傷に浸る締めかと思いきや、「おるんかい」という終わり方、これはこれで良いですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
言い訳をさせていただくと、陽子が海斗に与えたのは、あくまで生き方というか心構えだけという形にしたかったのです。
でも、おっしゃる通り、そこは何らかの記載をしないと読者としては疑問が残りますね。少し手を入れたいと思います。
最後の部分は作者の趣味です。蛇足かもとは思いましたが付け加えられずにはいられませんでした。
読了しました。
ストレートなお話、面白かったです。私はやはり、最初のモノローグ的地の文が好きですね。淡々とした中に漂う物憂げな感じが。
ただ、そのまま本編に入ってしまったように思えます。表現が直線的。これは悪い意味ではなく、情緒的と組み合わせて緩急をつけるといいと思います。
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
モノローグを評価して頂けて何よりです。
自分でもまあ雰囲気出たかなとは思っておりました。
しかし、おっしゃるように本編とのつながり部分がしっくり来ていないんですね。同じように感じられますか……。
緩急をつける。難しいですね。精進します。
コメントありがとうございました。
おおお、プロットのストレート解釈ですね。あのプロットを真正面から書き切っています。これはすごいと言わざるを得ない。
しかも登場人物もきっちり海斗と陽子の二人に収めてある。
いや、すごいです。プロットの裏読みをして変に話を転がすクセのある私にはこれはできません。描写も人物も会話も極めて高次元。
いやあ、恐れ入りました。
今度リレー小説のトップバッター引き受けてください。
作者からの返信
過分なお褒めの言葉を頂き、恥ずかしい……。
お題が「筆致」でしたので、できるだけトレースしたつもりですので、そのように言って頂けると嬉しいです。
リレー小説の件はそうですね。よろしければ参加させていただきたいと思います。トップバッター向きかどうかは……要検討ということで。
編集済
海斗のキャラクターゆえか、全体的に古風で真面目な印象を受けました。
思春期の頃に味わう挫折や後悔にも共感出来ましたし、とてもいいお話だったと思います。
陽子の、ナイフをカッコよく扱う姿と、都会に憧れる女の子らしい姿のギャップが素敵ですね。
作者からの返信
いらっしゃいませ。
ちょっと海斗が古風でしたか。確かに、ちょっと真面目過ぎました。反面、陽子がちぐはぐな感じが残ったかもしれません。
お読みくださりありがとうございます。