第7話 荒野への道。
西の空では、赤く輝く太陽がその日最後の輝きをもって、全てのものを黄金色に染めていた。
王都から荒野へ続く人気のない道を、騎馬が二騎、駆け抜けて行く。
「くそっ! こんなに遅くなるとはな!」
「団長! 危ないって! 飛ばしすぎだよ!」
騎乗してるのは、ガルロイとルイだった。
ガルロイが率いる旅の一団は、クロウ達と別れてから一晩を荒野で過ごし、翌日の昼頃には無事に王都へ辿り着いていた。
「盗人なんか、ほっておけばよかったんだよ!」
蹄の音に負けないように、ルイが大声を上げる。
「馬鹿を言うな! あんな男を無罪放免になどできん!」
ガルロイも負けじと声を張り上げた。
「俺は、副団長が怖いんだけど。突然仕事を押し付けられて、ものすごく機嫌が悪くなっていたよね!」
「心配ない。あいつは俺なんかよりよほど優秀な男だ。うまくやるさ」
ガルロイはクロウに毒を盛った男を街に入るなり衛兵に突き出していた。
だが、思っていた以上にいろいろと問題のあった男だったらしく、聞き取りなどにかなり時間を取られてしまったのだ。
先ほど仕事を仲間の者に無理やり引継がせ、大急ぎで休憩も取らずにそのまま飛び出して来たのだった。
だが、すでに彼らが向かう東の空は夜の帳が下りようとしていた。
「飛ばすぞ!」
「えっ?! 無茶だよ~」
ルイの情けない声は、速度を上げた馬の蹄の音に掻き消されてしまった。
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