黄昏

黄昏 短編

ただ表現のみで勝負する。その楽しみを教えてくれた作品です。

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https://kakuyomu.jp/works/1177354054891432306

「ある平凡な男の、平凡な一日」


平凡な人生を真面目に生きて来た男は、ありふれた理由で妻を失い、皆と同じように定年退職を迎えた。


彼の退職後の人生の、とある一日の物語。


こちらの自主企画さまに向けて書き下ろしたものです。

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第九回 瞬発力を鍛えよう! チキチキ即興小説コンテスト! 番外編 私小説に挑戦し、そもそもの文章力と語彙力を鍛えよう編!


https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054891432163


参加のルール

・タイトルは黄昏

・主人公および彼の住まいに関して特定の設定を使用すること。

  (読み心地に響くので、設定は割愛させていただきます。)

・主人公の一人称視点で起床から就寝までを描き、指定のテーマを表現すること。

・SFやファンタジーはなし。ストーリーではなく表現で勝負すること。

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 私がこちらのご企画に惹かれたのは「表現で勝負せよ」との文言がきっかけでしたが、書き始めてみると難しかったのはストーリーでした。何しろこの作品の主人公の年齢は私にとって、認識はしていても特に意識はしていない、そういう年齢でした。彼らは一日を一体どのように過ごしているのでしょう?


 これ以前に書いた現実を舞台にした小説は「蟲の宿」「さいとすけるとん」ですが、どちらも極めて自分に近いものを描いていました。ですがこの主人公は、私にはさっぱり解らない存在です。


 定年退職後の男性の生活とは一体どんなものか? 身近な高齢者の姿を片っ端から脳内再生し、また自分の生活の中で見かけた「荒れたもの」を作中に組み込んでゆく……。

 現実を舞台にした小説は、さながら私という人間の見ている世界の欠片を組み合わせたパズルです。そんな作品を書くのは意外にも楽しかったです。


 ニュースで観た高齢者の孤立などの問題、日常で見かけるちょっとした荒廃、大学時代を過ごした田舎町……。そうしたものを組み合わせて舞台を作り上げると、意外にもさらりと退職後の男性の物語を書くことができました。

 他人事ではない年齢の方にも概ね好評を頂けたようです。


 また一つ私を成長させてくれた作品です。

 

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