第24話 公爵令嬢はハンバーガーセットを食べる
お父様とお兄様はいらっしゃらなかったので、昼食はお母様と二人で食べる。
お母様は、初めて見るハンバーガーに戸惑っている。
なんせこちらの世界のサンドイッチは、薄いパンにジャムが塗ってあるだけの庶民のオヤツ。
だから、分厚いバンズにハンバーグ、レタス、トマト、チーズ等複数の具材を同時に挟んだ、食事として食べられるような物ではなかったのだ。
なので、お母様は分厚すぎるハンバーガーをどうやって食べていいのか分からず困っている。
淑女が大きな口を開けて食べるなんて、みっともないからね。
でも私は、構わずハンバーガーにかぶりつく。
うーん、シャキシャキ野菜とジューシー肉がソースと絡み合って、そこにチーズのコクが一体化する、なんて美味しさ!
お母様に「ご令嬢が大きな口を開けてはしたない」と言われたけど、「この食べ物はこうやって食べる為に作ったんです」と言い切ってやった。
だって、千切ってちびちび食べるより、絶対こっちの方が美味しいんだもん!
それでもお母様は納得できなかったのか、コックに一口大に切って貰っていた。
その一口大も、分厚さからどうしても大きく口を開けないと食べられない大きさになったんだけど、かぶり付くよりはマシだったみたいで、少し大きめに口を開けて食べていた。
「まぁ!
このサンドイッチ、大きくて食べにくいけどとても美味しいわ!
具材が多いから、色々な食感。歯応え、風味、香りがあるのに、それぞれの味がお互いを邪魔することなく、むしろ引き立て合うように混ざり合っていて、食事としても食べ応えがあるわね。」
お母様、相変わらず食レポみたいなリアクションしてくれる。
でもまあ、気に入ってもらえたようで良かったよ、味は。
大きさはお気に召さなかったようで、次からはもっと小さく食べやすい大きさに改良しなさいと コックに言っていた。
このかぶり付くのがいいのにー。
そして「ご一緒に如何ですか」でお馴染みのフライドポテト。
お母様的にはハッシュドポテトが良かったらしい。
因みに私はウェッジカット。
俺の時は100円バーガーとシューストリングばっかり食べてた。
お父様とお兄様はどうなんだろう。
二人の今日の夕食はハンバーガーセットになるのかな?
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