第11話
形勢逆転?
僕は返信する。
#どうやって?
#まずは黙って焼かれましょう。
焼かれる?黙って?
おいおい
慌てて返信する。
#焼かれてどうすんの!!?
「さぁ・・火が回って来たし、そろそろ放り込むか」
何?・
ちょっと待て!!
そう思う間もなく大きく窯の中に放り込まれた。大きくひょうたんの中で転がる。
(うおおおおぉ)
ひょうたんの端から端まで転んだ。
「窯の奥まで届いたな。ちょっと火をかき回してっと・・・」
ガサガサ・・
ガサガサ・・
かき回す音が聞こえる。
「もういいんちゃうかな、ほな、皆さん、ごきげんよう」
僕の額に汗がにじり出て来る。これは恐怖もあるが自分が中に居るひょうたんの温度が急減に高くなってきたからだ。
試しにひょうたんの壁に触れてみたが、熱くなっている。
それだけじゃない、
煙の黒い臭いがひょうたんの上の方から入り込んできている。
このままこの黒い煙が下まで降りてきたら一酸化中毒で死んじまうだろう。
ドンドン!
ドンドン!
激しくひょうたんを叩いてみる。
しかしながら何も外からは反応が無かった。
男は去ったのだ。
汗がにじり出て来る。
やばいのが分かりすぎる。
絶対的死地
つまり
絶対絶命・・・・
LINEが鳴った。
#こだま君、男が去りましたね。少し熱いですが我慢しましょう。
はぁ!?あんた、良く冷静にいられるな!!
#そうそう、何事も冷静にならなければなりません。やはりこんな時に重要になるのは禅の精神ですね~
いや・・マジで今はあかんやろ
熱くなってきてるやん!!
良く冷静にLINE打てるな!!
#どうすんだ?
手短に返信
#魔術で切り抜けましょう。
#魔術?
(どんな?)
背中が熱い!
ひょうたんの壁が焦げてるのが分かる。
返信!!
#どんな魔術で?
(早く教えろ!!)
煙が見える。
もう手を伸ばせば届く距離だ。
いや、それよりも炎が燃焼を上げる為にひょうたんの中の酸素を吸い込もうとしているのか、段々と息ができない。
苦しい!!
おい!!
松本!!
いや松本さん!!
メッセが届く。
僕はガン見する。
#こだま君、有名な僧の言葉があるんです。それを魔術として発動するんです。
それは!!?
何???
僕はもう息ができない。
僕はひょうたんに中でうつぶせに倒れた。
握るスマホが鳴る。
メッセだ・・見ないと・・
でも・・
やばい、
意識が・・
僕は身体に残る力を振り絞り、朦朧としていく意識の中で松本が送って来た言葉を見た。
それは、こうだった。
#心頭滅却すれば火もまた涼し
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