第14話 女の魅力
放課後。龍二は部活に行く。その後ろを葵が歩く。
「どこ行くの?」
「部活だよ。」
「ふ~ん。」
「葵ちゃんは部活に入んないの?」
「う~ん。部活ねぇ。今は自由が欲しいから、部活入らないかなあ~?」
「なんだそりゃ?」
「ふふ。」
「部活に行くから。またな。」
「じゃ。」
龍二と葵は分かれた。
龍二の部活終わり、すたすたと帰り道を歩いた。
「ふあああ。なんか今日はしんどいなぁ。」
家に着いた。
「ただいまー。」
「お帰りなさい。あなた。」
「うん。」
「今日は買い物選びに手間取ってしまいまして。少しいつもより遅くなります。」
「大丈夫だ。気にしなくていいよ。」
晴美は料理を続けた。
暫くして料理が出来た。
「料理出来ました。机を出して下さい。」
「はいはい。」
晴美が机に置いた料理は、卵焼きに、焼肉、山芋の磯辺揚げ、卵がけご飯(まだ、それぞれ単品)
「なんだこりは?やけに精の付きそうな食べ物ばかりだな。」
「はい。あなた、今日はお元気じゃなかったので。」
晴美が慈愛を込めて言うと、龍二はプルプル震えて、
「これ以上精を付けたら、夜爆発してしまう。」
龍二は叫んだ。
「どういうことでしょうか?」
「つまりだな、またエロスな夢を見てしまうということだ。」
「つまり、睡眠中の性刺激によるものということですか?」
「そうだ、ん?」
「調べました。昼休みの時間に男の人がああなる理由を・・・。」
「え?」
「つまり、昨日は夢の中で性的な内容を見たと。」
「晴・・・美さん?」
はぁ、と晴美はため息をつき、
「別に、妄想は構わないと言いましたが、そんなにしたいですか?」
「う、うん。まぁ。」
龍二は照れながら言った。
「これも妻の私が不甲斐ないばかりに・・・。」
「えっ、なんて?」
「とりあえずご飯を食べましょう。」
「あっ、ああそうだな。」
二人はご飯を終え、片付けた。
「あなた、妄想相手は葵さんですか?」
「うん・・・。」
「どうして、私では駄目なんですか?」
「それは・・・。」
「妻として不甲斐ないからですか?それとも・・・。」
「?」
晴美は赤面しながら言った。
「女としての魅力がないからですか?」
龍二はギョッとした。
(どう答えたらいい・・・。誤った解答をしたら、晴美を傷つけることになる。)
とりあえず龍二が考えた結論は、
「・・・今の僕の性の対象が高校生からなんだ。」
「えっ?」
(ギリギリか?ギリギリセーフか?アウトか?)
「・・・。」
晴美は無言になった。そして、顔を下げた。
(アウトかな~・・・?)
「・・・来年もですか?」
「え?」
「来年もあなたの性の対象は高校生からですか?」
「まだ僕も高校生だから多分。」
「後1年待ってください。」
「ん?」
「後1経ったら、私も高校生ですから。」
(そうか。来年は晴美が高校生で、葵ちゃんは一応年増・・・。ん?どっちがいいんだろ?)
「その間は妻として役割を果たせない不甲斐ない私をお許し下さいませ。」
晴美は土下座した。
「おいおい、頭を上げてくれ、晴美。お前は別に悪くないんだから。」
「だから・・・。」
「ん?」
「ネットのエロサイトで我慢してください。」
「分かった。するする。しますから。お前のスマホのネットでわざわざ開かなくてもいいから。」
二人はがやがや騒いだ。
一方、葵の部屋にて。
「後9ヶ月かぁ。」
葵は独り言を言っていた。
「後9ヶ月で、晴美ちゃんが高校生か。・・・これは急がなくっちゃ。」
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