第10話 平穏な休みの一日

日曜日、休みの日。

二人は部活も無く、朝から平穏だった。

「お茶入れますね。」

「ん。」

晴美はお茶を龍二に渡した。

「ありがとう、あちっ!」

「あらあら、慌てちゃ駄目ですよ。」

龍二は冷ましながら、お茶を飲んだ。

「平和だなぁ。」

「そうですね。」

静かだった。

(今日は静かに暮らせそうだ。)

龍二はスマホでニュースを見ていた。

龍二はのんびりするのが好きなのだが、晴美は少し暇が苦手で、和服にたすき掛けをして、部屋の掃除をし始めた。

「掃除なんて偶にすれば良いのに。」

「している方が落ち着くんです。」

ゆったりしながら、スマホをいじっていた。


昼前。掃除を終えた晴美は昼飯の用意をし始めた。

朝から鯖を煮込んでいた鍋に火を付けて、あたため直し野菜を切り始めた。

そして、味噌汁の鍋もあたためて切った野菜を追加する。出汁はしっかりとっている。

甘辛い鯖の煮込みと味噌汁の匂いがしてきた。

「良い匂いがしてきたな。」

(あー、腹減ってきたなぁ。)


12:30頃、料理が出来、二人は食べ始めた。

本日の料理は鯖の煮込みと、サラダと菜の花の湯浸しと、追加したナスビの味噌汁と、ご飯である。

鯖はよく煮込んであり柔らかい。ナスビは追加したので、まだ煮崩れせず、かと言って固くない。

「あー、幸せだなぁ。」

「ふふっ。」

二人は食べ終わり、片付けをして、二人はゆったりした。そして晴美は少しゆったりした後、素振りをし始めた。


「あっ、そういえばまだあの漫画途中だったんだ。読まないと。」

龍二は漫画を読み始めた。

晴美は素振りを終え、

「今日は風が気持ちが良いですねぇ。」

「ん?そうだなぁ。」

晴美に中学の友達からLineが来た。

「夕ちゃんからですね。『宿題まだやってない』?もう。『答えは見せませんよ。』」


そして夕方になり、晴美は晩御飯を作り始めた。

「あなた、ご飯できましたよ。机出して下さい。」

「はいはい。」

「いただきます。」

二人はご飯を食べ終わり、片付けをしていると、葵からLineが来た。

(葵かぁ。)


{何してる?)

(ゆったりしてる}

{今日私は美容院行ってきたわ。)

(そうか、明日楽しみだな}

{本当?嬉しい)

そして龍二は既読スルーをした。

もう一人からもLineが来た。増岡である。


{暇ー)

(こっちも暇~}

{そういえば、ジャ○プ見た?)

(最近見ないんだわ}

{そうか、じゃあ話しても盛り上がらないな)

(そうだな}

{もう晩御飯は食べたかね)

(食べたね}

{風呂入るから、ゆっくり脱衣中)

どうでも良いから、龍二は既読無視した。

気づけば23:30が来ていた。


「そろそろ寝ましょう。」

「あぁ、そうだな。」

布団を敷いて、

「お休みなさいませ。あなた。」

「あぁ、お休み。」

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