第7話 3人デート(前編)
「一体どうなることやら。」
龍二は不安にかられた。
「僕と、晴美と、葵ちゃん3人で行くなんて、どうなるか分からない。」
「まぁ、決まったことは仕方ありません。成るようにしか成りませんよ。」
晴美は龍二に優しく言った。
「そういえばいつ行くっけ?」
「そういえば、そんな話は無かったですねぇ。」
「そのまま有耶無耶にする・・・」
葵からLineが来た。
{今週の土曜日朝11時に○☆駅に集合。)
二人は葵からのLineの内容を見て、晴美は微笑みながら、
「有耶無耶にはなりませんでしたね。」
そして、今週の土曜日11時10分前に○☆駅で龍二と晴美は待った。
本日の晴美の服は珍しく洋服である。本来晴美の服はいつも和服だが、偶に洋服を着る時がある。彼女が洋服や制服の時は、ミニスカートを履くのがこだわりらしい。
「よく似合っているよ。」
「有難うございます。」
晴美は素直に顔を赤らめて喜んだ。
そして11時5分前に葵が到着した。葵はかなり露出高めの服を着ていた。
「あら、早いわね。」
「そんなことありません。貴女だって、集合時間内に来たではありませんか。」
二人は笑ったが、何か異様な空気だった。
「で、どこの店のタピオカを飲むんだ?」
「その前に城公園へ行きましょうよ?」
「へっ?公園?」
龍二は素っ頓狂な声になった。
「まずは遊びましょうよ。」
「良いですね。行きましょう。」
二人はのり気だったから、龍二は渋々後ろを付いていった。
城公園に行って散策した。
「見て、花が咲いてあるわ。何て名前かしら?」
「ここに花の名前が書いてますよ。」
「へぇ、聞いたことないわね。龍ちゃん知ってる?」
「いや、花は詳しくないから・・・。」
「へぇ、城の中に博物館あるんだ。知ってた?龍ちゃん?」
「まぁ、名前くらいは。」
「これは桜の花ね。よく新聞なんかで満開になったら載っているわ。」
「そうですね。私も見たことあります。」
「次はあそこの喫茶店に行きたいわ。」
「まだタピオカ行かないの?」
「まぁ、いいではありませんか。さぁ、葵さんに付いて行きましょう。」
3人は喫茶店に行ったが、座る場所が決まらなかったので、先に龍二が座り、隣に晴美、龍二の前に葵と決めた。
どうも葵は不満そうな顔をしていた。そして、メニューを注文した。
「私は紅茶で。」
「僕はオレンジジュースを。」
「私も紅茶でお願いします。」
そしたら、ぷっと葵が笑い、「龍ちゃん。高二にもなってオレンジジュースなの?」
「そうなんですよ。可愛いでしょ?」
晴美が優しく言うと、葵は笑うのを止めた。
3人の注文が来て、3人は飲んだ。そして、晴美が口火を切った。
「で、何を知りたいんです?」
そして、葵は言った。
「貴女達はどこまでの関係なの?」
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