第5話 龍二困惑

部活帰り。

「あ~あ、葵ちゃんとLine交換しちまったよ。」

龍二はほとほと参っていた。

「晴美になんて言よう。」

色々考えたが、

「よし、ありのままを言よう!」

龍二は意を決して家に帰った。


「ただいま!」

龍二は強い口調で言った。

「お帰りなさい。もう料理出来ますから。」

「うむ。」

「・・・。」

龍二はどしっと床に座った。

無言でスマホをいじった。

「机を出して下さいな。」

「うむ。」

「・・・。」

「いただきます。」

二人は食事をし始めた。


暫くして、晴美は箸を机に置いた。

「なんですか?言いたいことがあるなら言って下さい。」

晴美は優しくしかし、芯のある心持ちで尋ねた。

「そ、それはだな、ごにょごにょ。」

はぁ、晴美はため息をつき、

「どうせ、葵さんのことでしょう?」

晴美は龍二に言った。

「う・・・うん。」

「で、内容は?」

「お前のこと妹じゃない事をばらすと脅されて、Line交換しました・・・。」

「はぁ、成る程。それは仕方ないですね。でも・・・。」

晴美は龍二に近づいて来て、龍二の耳と鼻をつねった。

「いてっ。」

「私も一人の女子です。ヤキモチは妬きます。」

と言って、つねり続けた。

「痛たた!ごめん、ごめん~。」

ふぅ、と晴美は言った後、

「葵さんとのLineは程々にして下さいね。」

「分かってるよ。」


その後、葵からLineが来た。

{やっほー、龍ちゃん。宜しく~(^-^)/)

(宜しく}

{こんな写真送ったから見てね~)

龍二は写真を見た。そして、龍二は吹いた。

葵の少しエロめの写真が来た。

「どうかしましたか?」

晴美は言ったが、

「いや、何でもない。宿題しよう。」

龍二は慌てふためきながら言った。

晴美はじとーっと龍二を見たが、そのまま机に向かって、勉強した。


翌日も、朝早くから晴美は薙刀を振っていた。

「朝から精が出るな。」

「おはようございます。あなた。」

「今日はやけに低い所の素振りをしているな。」

「えぇ、貴方の尻を叩く練習もしてますから。」

晴美は笑いながら言い、龍二は寒気がした。

「食事は出来てますから、一緒に食べましょう。」

そして、二人は食べて出て行く。

そして、二人はいつも並行に歩かず、常に晴美は龍二の3歩後ろを歩く。

龍二は別にいいのに、というのだが、これも妻の役目と言って聞かない。


学校に着き、

「では、私はここで。」

「あぁ。いってらっしゃい。」

二人は分かれた。


「何既読スルーしてるのよ。」

葵は龍二に強い口調で言った。

「あんなLine送るからだろ?!」

龍二は反論した。

「どう、私のセクシー写真は?」

「まっ、悪くはないけど。」

一応褒めた。

「そっ、有難う。」

葵はルンルン言いながら、女友達の所に行った。

「ったく。」

龍二は窓の方を見ながら言った。

「晴美呆れるかな?」

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