ラジオ
その感情に気がついたのは3 ~4 年前程だろうか。
私は幼い頃からラジオが好きだった。
毎日のようにラジカセにはりついていた私を見た友人が付けたあだ名はラジキチ三平。
私は誇らしかった。
ラジオに対する情熱が伝わった、という謎の達成感で満たされていたのだ。
それから数年後だ。
思春期に突入してもなお、私はラジオに没頭していた。
ジャンルはアニラジなどに移行していたが、ラジオの事を愛していたという事実にはかわりなかった。
とある日、私は所謂エロゲ、というもののラジオを聞いてみて不思議な感覚を抱いた。
それの正体が分からず、ずっと原因を考えていたのだが、やっとその正体が分かった。嫉妬していたのだ。
私より下劣である筈の奴等、エロゲの声優共が表舞台でラジオを放送している、という事実に。
奴等は私の人生を汚しているのだ、私の全てを汚しているのだ。
そう思うと怒りが込み上げてくる。
それから暫くして、私は一つの結論に辿り着いたのだ。
表舞台でラジオを汚しているあいつらを消す。それしかない。
私が愛したラジオを守るためなら、誰が血を流そうが知ったことではない。
包丁と改造したモデルガンを持ち、私はあの忌々しい下劣な奴等の所へ向かう。
奴等の阿鼻叫喚をラジオへ捧げるために。
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