第38話

「3…2…1…

A HAPPY NEW YEAR!!」


道玄坂@PAPER MOONでは毎年恒例のカウントダウンDANCEが行われていた。


全国各地から一線で活躍するentertainerが集まり、純粋にREGGAE MUSICに酔いしれていた。もちろんメグも。


「おぉ!RAGGA CAT!めっちゃ久し振りやんかぁ!」


後ろからメグに声を掛けて来たのは大阪の若手、NATURAL WEAPONだった。TOYとほぼ同時期にDEE JAYを始め、良き戦友である。


「何か…TOY大変らしいなぁ…、俺らに出来る事って無いんかぁ?」


「うん…」



「あるぞ…WEAPON!」


後ろから来たのはPAPA-RATだ。


「あっ…RATさん、お疲れ様です!んで…なんすか…?」


「まぁ…今日のダンスの最後に話すよ…ふふ…」


珍しく酔っ払っているRATは心なしかいつも以上に顔を紅潮させていた。





ダンスも中盤にさしかかり、PAPA-RATのPLAYが始まった。彼しか流せないCOREなDUB PLATEに、PAPER MOONに集まった本物のREGGAE FANが酔いしれていた。


「…今年もバビロンなんかに負けずに、この音楽を…このREGGAEを愛していける客はどれだけいるよ?」


もちろん皆のシグナルはGUN FINGERだ。

「俺は来年の今日も、ここにいる全員が1人も欠ける事無く集まれる事を願ってる…そう…今年は残念ながら1人いねぇんだよ…」


集まった全員はその時点で全てを悟っていた。


「去年の今日、このステージ上でゲロを吐いた伝説のバカ…TOY MACHINEがいねぇんだ…あいつは…今頃…」


感情的になっていたRATは上を向き歯を食いしばって涙をこらえた。会場からはRATを応援する声が溢れた。


「そんなバカ…あいつに俺たちに何が出来るか考えた…それで皆と考えた結果…一つの結論に達したから聞いて欲しい…。」


そこで一旦完全に音が止まり、PAPER MOONにはRATの声だけが響いた。


「今から呼ぶ者はステージに来てくれ。…SP the STONED VIBES、C.H.SOUND、710SOUND、gRAVIS、ARARE、導楽、NATURAL WEAPON、CHAN-D、RIN、INITY風、…RAGGA CAT」


全員が不思議そうな顔をしてSTAGEに上がった。


「じゃあ発表する…」

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