第24話
四工に来て1ヶ月、俺はようやくここの生活にも慣れてきた。
起きて、点検受けて飯食って出役。工場行ったら作業着に着替えて作業して、運動[一時間、これハンパなくキツい]して、また工場戻って作業して、飯食って、作業して、終わったら部屋帰って…
そうそう、うちの工場長の滝川さん…いや、皆の前ではそう呼んでるけど、2人の時はBE-CORE、TOY君の仲だ。彼の荒技により俺はまだ来て間もないのに工場の中堅所にいるんだ。
ここのルールには[まくり]ってのがあって、一応最初は工場に長くいる順番で偉いんだけど、何も出来ない人間なんかはどんどん地位をまくられていくんだよね。。面白いだろ?
ってなわけでさすがそこは工場長、本当に些細な事がある度に
『てめぇ、使えないからこいつの下な!』
ってあからさまにBAD MANな事をしてくれてるんだ。最初は冷や冷やしたけど、これが当たり前の世界って知ってからは、俺も堂々とする事にしたよ。
そんなこんなでいつもの様に部屋に戻ると、つい3日前に俺にまくられた横川がまだ俺に対して使い慣れない敬語で言った。
「あの、TOYさんカラオケ大会どうされるんですか?」
『はぁ?カラオケ大会?なんだよそれ?』
…ちなみに俺はもう工場の皆からTOYって呼ばれてる。BE-COREが皆に言っちまったんだ。
「そうか…もうそんな時期か。TOY、お前俺が推してやるから工場の予選出ろ!」
『いや…滝川さん、意味が分からないのですが…』
「そうか、勿論初めてだもんな。ムショん中では毎月何かしらのイベントがあってな!その中の一つに工場対抗カラオケ大会があるんだ。」
ボンボクラ…刑務所だってのにそんなんあるのかよ…
「でも滝川さん…」
「いや、何とかなるだろ…まぁいい。」
…何だろうと思ったけど俺は敢えて何も聞かなかった。
それから何日もしないうちに昼休みに担当のオヤジがカラオケ大会の事を話し始めた。
「もうすぐカラオケ大会のエントリーがあるけど誰か出たい者いるか?」
俺はBE-COREに目で合図をされ手を挙げた。俺以外に手を挙げたのは3人、そのうち2人はギャグ狙いの馬鹿。問題は残りの1人、工場のNo.2であり、反BE-CORE派の派閥のTOPでめある稲本さんだ。
「じゃあこの4人で今週末の昼休みに予選をやるから歌を考えておくように!」
クラッシュに出た時並に鳥肌が立った
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