第110話ぼっち

久しぶりに、ぼっちになるために海のある街まで、ゆうは一人で出かけた。


電車を乗り継いで海に来た。


海にはサーファーがたくさんいた。


「ねぇ、一人?」


とスクール水着の美少女が声をかけて来た。


「ぼっち満喫中!」


とゆうは言った。


「本当は、寂しいくせに。」


「話しかけないでくれないか。」


美少女は


「ダメ!今日は、君と遊ぶって決めた!」


と言ってきた。


「俺は、今日ぼっちになるって決めたんだ!」


そうすると美少女は消えてしまった。


ゆうは、ホッとして砂浜で寝転がった。


太陽が、眩しいぜと思っていると顔面に冷たい何かが落ちて来た。


「ふが!」


「ふが!だって!うける!」


美少女が、バケツを持って笑っていた。


「お前!許さねー!」


ゆうは、美少女を追いかけた。


追いかけているうちに押し倒してしまった。


美少女からゆうにキスをした。


波の音が聞こえた。


「百万円!」


「え?」


「俺とキスしたから百万円!」


「ホスト?」


「ごくごく普通の高校二年生だけど。」


美少女に押し退けられるとゆうは鼻血を出した。


「え?」


「え?」


美少女は、ゲラゲラ笑って走り去ってしまった。


散々だなと思ってゆうは、電車に乗り継いで家に帰ると超不機嫌な顔をした渚がベッドの上にいた。


「黙って浮気?」


「黙ってぼっち旅。」


「鼻血出して?」


「まだ出てる?」


「鏡見たら?」


今日は、散々だと思って渚を退かしてベッドでゆうは寝た。


あの美少女は、どこか渚が似ていた‥。

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