第105話夏休み

「ゆう君!ゆう君!」


「何だよ?熱いから騒ぐなよ。」


「海行こうよ!」


「嫌だよ、こんな熱いのに。」


「ゆう君の部屋のクーラーが壊れたからいけないんでしょう!」


夏休み初日、ゆうの部屋に設置されてるクーラーが壊れた。


「お前が、最近、クーラーつけっぱなしで寝るからだろ!」


「海!海!海!海!海!海!海!」


「プール行こう。」


「えー!ゆう君、妥協したな!」


「海は、遠いし、危険だ。プールは安全だ。」


「おっさんかよ!」


「じゃあ、プールも却下か?」


渚は腕組みして


「うーん。」


と言っている。


「仕方ない。プールで手を打とう!」


どんだけ偉いんだよと、ゆうは思った。


市営プールに自転車でゆうと渚は行った。


「温水プールじゃん!」


「そりゃそうだ。」


渚はガッカリしていたがもっとゆうはガッカリした。


渚がスクール水着で来たからだ。


「お前、色気無いな。」


「うるさいな!仕方ないじゃん。ゆう君だって同じじゃん!」


渚は、少しいつもと様子が違った。


プールに入ってすぐにゆうはその原因が分かった。


ゆうの体を掴んで渚は離れない。


「そんなにくっついてたら泳げないだろ!」


「だって、わたし、かなずちだもん。溺れてわたしが死んだらゆう君のせいだからね。」


「かなずち?マジかよ?かなずちで海!海!言ってたのは誰だよ?」


仕方ないので水に顔をつける事から始めた。


帰る時にはバタフライで渚は泳げるようになった。


さすが女優とゆうは、感心した。




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