第40話遠足
「遠足って小学生かよ。」
部室で、寝袋に入りながらゆうは呟いた。
「良いじゃん、遠足。」
渚は、喜んでいる。
誠は、遠足のしおりを熟読している。
舞は、最近ぼーっとしている。
「ねえ、誠はもしかして新選組の誠の文字から誠になったの?」
渚は、誠に聞いた。
「うん、爺ちゃんが好きでね。」
誠は、しおりから目を離して答えた。
「そうなのか、かっこいいな。」
ゆうは、珍しく食いついてきた。
「ゆう君、新選組好きだもんね。」
「大好きだ!」
渚の言葉にゆうは反応した。
「そうだよね、先輩かっこいいよね。」
舞が、呟いた。
「え?」
舞の言葉にみんな疑問を投げかけた。
舞の話によると、最近、二年生の井口智也に舞は告白されたらしい。
「付き合ってみればいいじゃん。」
ゆうが、言った。
「ゆう君に言われるとちょっと悲しいな。でも先輩背が大きいしイケメンだし。」
「嫌味かよ?」
「逆に心配なんだよね。そんな先輩が何でわたし?みたいな。」
ゆうが、寝袋から出て
「じゃあ、井口智也の素行調査始めるか?暇だし。」
とみんなに言った。
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