第11話

≪君、名前は?≫

≪僕は、秀一。お姉ちゃんは?≫

≪私は、聖良。せいら≫

≪せいらお姉ちゃん≫

≪うん≫

≪今日は、ありがと≫

≪じゃあ、恩返ししてくれる?≫

≪お嫁さんにしてあげる≫

≪約束だよ≫


夢・・・


知らない人が、出てくる事がある。

でも、全く知らない人ではない。


記憶にないだけで、会っているかもしれない。

そう、それは前世かも・・・


「思い出してくれたみたいだね。秀一くん」

「うん」


はっきりと思いだした。

ここは、湖のそばのお花畑。


僕は、ちょうちょを追いかけて、気がついたたら、ここにいた。

そして、お姉さんにお世話になった。


「私の、チョウ。チョウの妖精。なので、人間ではない」

「うん」

「でも、姿形は人間になれる。でも、生体までは真似できない」

「うん」


聖良お姉ちゃんが、僕の手を取る。


「秀一くん」

「何?」

「君の手で、私のサングラスとマスクを取って」

「えっ?」

「そうすれば、私の本当の姿が、君には見える」

「本当の?」

聖良お姉ちゃんは、頷く。


「今の君なら、私のありのままを受け入れてくれる。そう信じている」

「父さんは?」

「彼は、協力者。あの頃からのね・・・。もちろん、君のお母さんも・・・」

聖良お姉ちゃんは、手を差し伸べてくる。


僕は、サングラスとマスクを取った・・・

そして・・・

彼女の全てを受け入れる事が出来た。


「私は、変わる。人によって・・・」

「人に?」

「今の君にふさわしい人が、目の前にいる。」


あの頃の約束を果たす時が来た。

種族の垣根は越えた。


理解されなくても、僕の求める形があった。


「さあ、行こう。秀一くん。」

「うん」


もう、迷いはない。

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夢の人 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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