第9話

「よっ、おはよう」

クラスの男子に、声をかけられた。


特に親しくない。

まあ、友達いないし、声をかけてきた目的は、わかる。


「奇麗な女の人だな。彼女か?」

「僕のいとこ」

ごまかしておいた。


「初めまして、僕は・・・」

会話をしているが、やはり、聖良お姉ちゃんが、目的か・・・


待てよ?

こいつには、聖良お姉ちゃんの顔が、見えているのか?


少しの会話の後、去っていく。

それが、5人程あった。


「あの子たち、普段は秀一くんとは、親しくないね」

「わかるの?」

「うん。態度でわかるよ」

「そう・・・」

「私、君をいじめる人は、許さないから・・・」

「えっ?」

「何があっても、私が君を守る」


逆な気がする。


教訓:「どんなに強い男でも、女には勝てない。特に群れた女には」


駅に着く。


「お姉ちゃん、電車に乗らないの?」

「うん。バスで行くよ」

「でも、バスだと・・・」

「いいから。いいから。」


バスに乗る。


空いている。

休日なのに・・・


「お姉ちゃん、このバス・・・」

「気がついた?」

「うん」


今時珍しい、ボンネットバス。

走っていないはずだが・・・


イベントなのか?

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