第8話

「受験はいいの?」

「気晴らしがしたいそうだ」


断る理由もないので、OKした。

聖良お姉ちゃんも、喜んでくれていたそうだ。


でも、行き先は任せてほしいとのこと。

エスコートしたいのか・・・

まっ、楽でいいが・・・


で、当日になる。


「秀一くん、お待たせ」

玄関で待っていると、聖良お姉ちゃんが現れた。


待ち合わせが定番のデートだが、同居しているのでその必要はない。

ないのだが・・・


「お姉ちゃん、その格好」

「変かな?」

変です。


女子高生の制服は、譲ります。

でも・・・


「どうして、サングラスにマスクをしてるんですか?」

「私、花粉症なんだ」

「そうなんですか・・・」

何も言えない。


まだ、顔を見せたくないと言う事か・・・


「で、お姉ちゃん。デートはどこへ?」

「どこだと思う?」

「映画とかでは、ないですね」

「うん。ピクニックだよ」


聖良お姉ちゃんは、手を握ってきた。

恋人つなぎ。


♪丘を越え、行こうよ~


楽しそうに唄う、聖良お姉ちゃん。


別の意味で、恥ずかしい。


知り合いに会いませんんように・・・

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