第7話

≪やあ。秀一くん。会えたね≫

≪お姉ちゃん?ここは?≫

≪君の夢の中≫

≪お姉ちゃんは、夢に入れるの?≫

≪うん。そうだよ≫

≪妖精さん、みたいだね≫

≪ありがとう。≫

≪でも、現実世界でも会いたいな≫

≪会えるよ≫

≪本当に?≫

≪約束≫


チュンチュン


眼が覚める。


「久しぶりに見たな」

時々見る夢。


夢なのに、はっきりと覚えている。

但し、顔以外は・・・


ただ、とても清楚な人だ。

それは、間違いない。


身支度をして、食卓へと向かう。

お姉ちゃんが、父と談笑しているのが聞えた。


罪悪感を感じたのか・・・

その場を、離れた。


だが・・・


「秀一くん、朝ごはん作っておいたよ」

「ありがとう。お姉ちゃん」

「冷めないうちに食べてね」

「うん」


食卓に入ると、既にお姉ちゃんはいなかった。


「父さん、お早う」

「ああ。お早う」


ご飯に味噌汁に、焼き魚・・・

定番の、朝ごはん。


感謝いたします。


「秀一」

「何?父さん」

「聖良ちゃんだが・・・」

「うん」

次の言葉に、声が出なかった。


「今度の日曜日に、お前とデートしたいそうだ」

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