第2話

玄関を開ける。


ひとりの女性が、笑顔で立っていた。

でも、女子高生の制服を着ている。


この人では、ないな。


「あのう、どちらさまですか?」

名前を訊くのは、当然だろう。


「君が、秀一くんね。お父さんの徹さんから、訊いていない?」

「確か、今日から浪人生の女の人が、居候すると・・・」

「それが私。私は、井上聖良。よろしくね。」

「よろしく・・・って、どうして、高校生の制服を?」

「この方が、喜ぶかなって・・・」


僕は、現役の高校生。

見慣れています。


「君じゃなくて、お父さんの徹さん」

「父に頼まれたんですか?」

「うん」

即答されても・・・


「やあ、聖良ちゃん、いらっしゃい」

「お早うございます。今日からお世話になります」

「さあ、上がって」

「はい」


父は聖良さんを、部屋へと案内した。


さてと、僕も学校へ行きますか・・・


でも、あの女の人、どこかであったような・・・

まっ、気のせいか。


とにかく出かけよう。


ちなみに、父は作家で、家が仕事場。

やらしい真似は、しないでほしい。

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