第14話化け物

暗い、苦しい、どうして自分だけこんな扱いを受けるのか分からなかった…。


ひっそりと闇と佐藤家は夕食を取っていた。


「闇は、十五年間、一人ぼっちでここにいたのか?」


孝は、味噌汁を飲んでいる闇に聞いた。


「うん、でも、小さな頃はお母さんが寝かしてくれたよ。最近は、来ないけど。」


毎日、地獄だ。自分の汚物まみれで腐りそうだ。


一日一回の食事には毒が入っているのが分かっているが空腹には負ける。


「そうか、辛かったな。」


孝は、涙を流した。


「仕方ないよ、双子は不吉だから、殺されなかっただけでラッキーだよ。」


目を覚ますと牢屋の扉が開いていた。


必死で逃げた。


走って走って走っていつの間にか川で水を食べるように飲んでいた。


大丈夫…自分は生きている。


「修羅村は、最低な村だな…。」


孝は、舌打ちした。


「孝…争いが近いうちにある。」


「あぁ…。」


月明かりに向かって吠えた。

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