第13話光という少年

要邸に、珍客が来た。


大栄光、十五歳が要金を訪ねて来た。


「これは、これは、光様どのようなご用件でしょうか?」


金は、冷や汗をかいていた。


佐藤家、襲撃がバレたか…。


「闇を殺して下さい。その修羅刀で。」


光は、金のしたことを佐藤家の天井裏から見ていたのだ。


光は、生まれながらにして修羅村の王子だった。


無口で寡黙な性格だった…闇の存在を知る前までは…。


母親が、毎晩、自分を寝かし付けて闇のいる蔵に行くのを見てしまったのだ。


母親の、愛情を独り占めしたかった光には屈辱的だった。


それからは、勉学、刀、女を確かめるかのように積極的に自分の中に取り込んでいった。


十五歳になった光は、闇を殺す事に決めた。


修羅刀は、光の欲望に応えるように金の手をすり抜けて光の手に収まった。


「これが、修羅刀か…。」


修羅刀は、僕の味方についたかと思い要邸を去った。


金は、腰を抜かしてしまった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る