第10話要家
「何でだよ!親父!」
「大栄家に逆らったら首が跳ぶぞ。」
要銀は、大栄家の復讐を恐れていた。
「バカ息子が…。」
「うるせーよ!佐藤家に大栄家が出て来るとは思わないだろ、普通。」
「大概にしろ!女となると犬のように交尾するのは!」
「まぁ、良いさ、あっちから復讐に来るはずだ。俺は、それまでにこの修羅刀を使いこなすぜ。」
銀は、深いため息をついた。
えた、ひにんの佐藤家は立派だった。差別や逆境に強かった。村の会議では士農工商のどれかに位置付ける話しになっていた。
これじゃあ、自分の評価に関わってくる。
士族が、農民になったら自分を殺したのと同じくらいだ。
運良く今回の事は、村人達にバレていないようだ。
佐藤家には、死体回収をして元通りして置いて暫く旅に出ると門に張り紙をした。
呑気にあぐらをかいて毎日毎日女を抱いては酒を飲み夜這いばかりしている息子の金は目立ち過ぎていた。
良い機会だ、息子の死を金は、願っていた。
尻拭いは、限界に達したのだ。
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