10/26 土曜日

 アイビーに食べ物と飲み物を持っていく。

 いつもの朝食を持っていくと会話こそしてくれないものの、私の目の前で食べてくれるようになった。


 今日はやっと私の部屋にアイビーをお迎えする日。

 

 部屋を前から大きくリフォームしてシャワーやトイレの部屋を取り付けた。

 あそこでは日の光もあたるし、ここみたいに埃っぽくないから、この地下の部屋よりもうんと暮らしやすくなるはずだ。

 

 アイビーには窮屈な思いをさせたけど、部屋を変えたらきっと元気なアイビーを見せてくれるに違いない。


 朝食を食べ終わってから早速、アイビーの手を引いて部屋へ連れて行こうとした。


 地下から出て、2階への中央階段を登っている時に突然アイビーが手を払いのけて反対の方向へ走り出した。

 でも、急な方向転換をしたからかな。アイビーが足を挫いて階段で転んでしまった。

 ごろごろと一段ずつ転がって落ちて行ったから骨折とかの心配はないかもしれないけど、彼女の額から血が流れていた。

 

 その後、気を失って動けなくなった彼女を私の部屋の方へと連れてくる事はできた。

 綺麗な足には至る所に痣があり、きゅうと胸が締まった。


 アイビーに痛い思いをさせてしまった。

 

 外にはあいつらがいる。

 ただでさえそこにアイビーを行かせるわけにはいかないのに、こんな事になるんだったら危なくて絶対に行かせられない。


 アイビーには暫くまた窮屈な思いをさせてしまうけど、足にも首輪みたいに拘束をすることにした。


 夕方ごろに彼女が目を覚ましたので、この部屋の様子を教えてあげた。

 トイレの場所とシャワーの場所と、2つのクローゼットの内右の方にアイビーの服が入っている事と、窓は危ないから開かないことと・・・・・・。

 

 そんな説明をしていると彼女が突然泣き出してしまった。

 しくしくと声を押し殺すように泣いていた。


 足にも、拘束をしてしまってごめんね。

 動き辛いよね。


 でも、絶対にあなたには不自由はさせないからね。


 好きだよ、アイビー。

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