10/19 土曜日

 アイビーに食べ物と飲み物を持っていく。

 今日はパンに、ベーコンと目玉焼き。

 アイビーのお母さんに聞いた話だといつもそれが朝ごはんのメニューらしい。

 喜んでくれるかな?


 いつもより早い時間に持って行ったせいか、偶然シャワーを浴びていたらしく咄嗟に体を脱ぎたての衣服かな、それで隠された。


 彼女はその場で泣き崩れてしまった。

 

 「初めては、好きな子に見せたかったのに。」としゃっくりを上げている。

 佐藤か?私と貴方を遠ざけたあいつに見せたかったのかな?


 「早く出てって。」と怒鳴られ、手にしたそれを傍のテーブルに置いて部屋を出た。


 好きな子・・・・・・かぁ。

 いや、彼女の言う好きな子って・・・・・・いやだ違う違う違う違う。


 そうだ。

 私は彼女が欲しいというなら心臓だって差し出してあげられる。私が死んでしまうけど、最後に彼女が私を求めてくれて私の体の一番大事なところを欲しいっていってくれたらそれだけで嬉しい。どうやって差し出そうかな。焦らすようにゆっくりかな。それともアイビーにリードされようかな。せっかくならアイビーと手を握ったまましたいな。赤い血で私たちの体をチョコみたいにデコレーションしながらゆっくりと眠りたい。キス・・・・・・はまだ恥ずかしいなぁ。手を繋ぐときは恋人繋ぎかな、普通にギュっと繋ぐのかな。アイビーの好きなように握って欲しいなぁ。私の最後の声、表情、温もりを全部奪ってほしいなぁ。

 

 あいつはそんな事出来ない。


 彼女が望むなら、私は死んでも構わない。

 やっぱり私、アイビーの事が好きなんだなぁ・・・。


 とりあえずまた綺麗な金髪を見れると思うととっても嬉しい。

 お昼ご飯を持っていく時が楽しみだなぁ。


 私も、今日はそこでご飯食べようかな。

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