10/13 日曜日
アイビーに食べ物と飲み物を持っていく。
暖房を持ってきて暖かくなったハズなのに、アイビーの体は震えている。
見ると目と目の周りは赤くなっていて、目じりから下へ涙を流した後があった。
「一日はもう経ったからもう出して。」「家に帰りたい。」
アイビーはそれだけ言うと膝を抱えて頭をその間に潜らせたまま何も言わなくなった。
そうだ。ここからアイビーを開放してあげなくちゃいけない。
これ以上したってお互い、苦しくなるだけだ。
でもここからだしても、もう。
あの頃には戻れないんだろうなぁ。
それからクラスLINEでアイビーが今、行方不明という事が連絡された。
皆色々な事を言っていたけど、一番気になったのは
「アイビーの事はまだ捜査中だからみだりに口外しないように。」
それにクラスの皆はうん、はい、とだけ返信してそれ以降、そのLINEルームでアイビーという名前は一切出てこなかった。
そうやって、あの時の私みたいに遠ざけるんだ。
彼女の事を心配しようともしないで、探そうともしないで、今までの思い出を思い出すような事もしないで。
この人たちは私がどんな思いで学校に行っていたのか知らないんだ。
こんな人らの所に戻しても、アイビーはただ苦しい思いをするだけだ。
そうだ、これはアイビーを守るためだ。
私だけはアイビーの事をずっと忘れないでいよう。
私だけはアイビーの事をずっと好きでいよう。
私だけはアイビーの事をずっと守ってあげよう。
そうときまれば、今の部屋は暗くて体に悪そう。
私の部屋を改築してアイビーとそこで一緒に暮らせるようにしようかな。
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