愛加side Common Story 6話 過去の私と今の私

 私は教師が今後の説明をしているときにどうすれば雅也君が私を思い出してくれるかを考えていた。


 私は昔、雅也君と会っているのだ。

  

 いや、会うというと語弊が有るかもしれないぐらいの短時間の出来事だった。


 雅也君からしたら、なんてことのない日常の出来事だったのかもしれない。


「でも私は…」


 思い出してほしい。


 その出来事は、私にとって何よりも大切で私自身と同じものなのだから。


▽ ▼ ▽



 そんなことを考えているとふと葉山君が、カフェのチラシを見て鼻息を荒くしているのを見かけた。


 たしか、葉山君は雅也君と仲がよかったはず。


 私も、カフェに行く予定があれば自然な感じで雅也君と一緒に行けるのではないかと思った。


(葉山君が雅也君を誘ったら、同時に私は美麗を誘う。そうして同じところ行くなら一緒にどう?的な感じで誘えば……いける)


「ふふふふ」


 そうして私は誘い出すのに成功したのだった。


(後は、二人きりになるだけだね)

 

 ん?なんで私、今二人っきりになりたいなんて思ったんだろう?


 私は思い出してほしいだけなのに???


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