Common Story 4話 引っかかる記憶のピース

 愛加の挨拶にビックリしたように反応したのは美麗だった。

 

「え、愛加? なんでブル学にいるの!?

確か遠くの学校に行くことになったはずじゃなかった?」


 美麗の親友に愛加という名前の女の子がいるのは聞いていたが顔を見たことはなく、声をかけてきた女の子が誰かわからなかった。

 しかし、美麗の様子を見るに彼女が親友の愛加で間違いないのだろう。


「えっと、はじめまして。君のことは美麗から聞いたことが有ったんだけど羽夜さんも僕のことは美麗から?」


「まぁ、そんな感じだよ。そんなことより、あ い かって名前で呼んでよ。みんな、名前で呼んでるから」


「そう?分かったよ。愛加」


 カチッ。


 何か愛加のほうから音がしたような気がしたが気のせいだろう。


 そのまま、3で先生が来るまでたわいもない会話を楽しんだ。


 愛加はとても明るく初めて会ったのにも関わらず、とても話しやすかった。


 それなのに僕は何ともいえない胸の痛さと話しにくさを抱えていた……


 

 

 



「おぉい、俺もいれてくれよぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 いつの間にか、3角形を描く形で話し始めた俺たちの後ろで葉山がそう叫んでいた。



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