第4話 避
僕はHが好きだった。4年の頃からずっと。
Hも僕のことを好きだったらしい。いつからかは聞いていないが「好き」ということを知って僕は喜んだ。一時は告白も考えた。それもできなかった。だれのせいでもない。自分がためらった。告白するタイミングなんてたくさんあった。それでも言葉が出ない。そのまま時は過ぎた。僕たちは一切しゃべらなくなった。一般に言う「好き避け」である。小学校も卒業し、中学生になった。それでも関係は悪いままだった。それから3年間、僕は何もしなかった。
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