タバコ
あむあむ
第1話
あなたが出ていた1Kのこの部屋
二人だと少し狭く感じていたのにね
一人だとあなたの事ばかり思い出すの
不意に眺めていた部屋にあなたの一部
いつも吸っていたタバコを見つけたの
あなたの匂い
あなたを感じたくて
一口タバコを咥えてみたけれど
肺から喉にかけて一気に熱くなったの
初めて吸ったタバコに噎せたの
涙が頬をつたって床に落ちるの
悲しくてなのか
苦しくてなのか
この涙が何を意味しているのか
まだ分かりたくないの
あなたはこの部屋を出て行く時にね
笑っていたの
私にはどうしてなのか分からないの
あなたは最後に
元気でね
そう呟いて私に手を振ったの
どうして今日という日が来てしまったの
そういえば、初めて会った日も
あなたはタバコを吸っていたよね
まだ肺も喉も痛いけど
あなたを感じたいから
私はまたタバコを口に運ぶの
タバコ あむあむ @mahimahi7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます