第4話 違和感

三谷と部活をしていく中で覚えたのは違和感だった。なんだろう。最初からいたはずの私がまるで置いていかれているような…。三谷はコミニュケーションが人一倍得意で私とは全く真逆の存在と言ってもいいほどだ。だからなのか、持ち前のコミニュケーション能力で私が頑張って築いた後輩との信頼などあっさりと持っていってしまった。…言葉もないほど早かった。私があれだけの月日かけてきて築いたものをたった一瞬で持っていかれてしまった虚無感はなんとも言えないほどに複雑だった。

実際、私は三谷がいなければ教室での居場所など手に入れられなかっただろう。彼には感謝している。だがしかし…、なんとも言えない気持ちが残った。これを人は恨み、嫉妬、などと呼ぶのだろうか…。初めての感情だった。興味などなかった他人を恨むなんてこと、今まで1度もなかった。私はこの感情をどうしたらいいのだろうか…。

悩んでいる間も、私はいつも通り愛想笑いを貼り付けて三谷や後輩たちと接していた。私がくよくよ悩んでいたせいかもしれない。私が立ち止まって考えている間に、もうひとつの出来事はゆっくりと起きつつあったのだ。

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