第3話 部活
今日は放課後彼らと一緒にいることなく、私は教室とは別の扉を開けた。目の前に広がるのは畳のある和の空間。今日は私の部活日、ちなみに茶道部だ。私以外に同級生はいないため、一人で後輩を引っ張っていかなくてはいけない。私にそんな大それたことできるなんて思ってないけど、少しずつ、後輩たちとの距離が縮んでいることに気がついていた。頑張らないと、私の唯一の居場所を守らなくてはならないから。
先輩たちは、私がひとりここのリーダー的立場に立ってしまうことをとても心配してくれた。たったひとり茶道部に入部してきた私に丁寧に教えてくれたのは先輩たちだった。私にとても優しくしてくれて、教室で空気と化している私にとって茶道部は唯一の居場所と言っても過言ではないほど大切な場所だった。
そんなある日のこと、先輩たちも引退して私ひとりで頑張っているのを見兼ねてか、顧問兼担任の先生がひとりの同級生を体験入部に連れてきた。
(三谷…)
それは三谷だった。桂と篠宮はまだ前の部活といざこざが残っているから恐らく彼が連れてくるのに適任だったんだろう。三谷が体験入部に来た頃には3人ともそれなりに仲良くなっていたので、私は難なく受け入れることが出来た。
ただ、この出来事が後の私に大きく関わることなんて当然知るわけもないのだけれど…。
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