第2話 放課後
「ねぇ、鈴川さんもまざる?」
そんな言葉が最初だったかもしれない。放課後、日直の日誌を書くため残っていた私に、教室でダラダラとすごしていた3人の男子生徒のうちひとりが私に話しかけてきた。その時、どんな表情だったかなんてもう覚えてないけど、驚いてた記憶はある。ただの空気に、話しかけてくる人がいるなんて思いもしなかったから。
私は日誌を書き終えると、なんとなくその場に残った。聞くところによると、3人は部活を辞めて居場所がないらしい。今は帰宅部員ってとこか。
3人のことは覚えた。私に話しかけてきた寝癖が若干残ってる彼は元野球部員の三谷悠(みたにはるか)。その横にいる体格がいい生徒は元剣道部員の桂滉貴(かつらこうき)。さらにその横でゲームに熱中している彼は元サッカー部員の篠宮夏希(しのみやなつき)。どの部活もそこそこ人の多い部活だし、辞めるとなったらきっと周りからも嫌われる覚悟だったんだろう。
この3人は周りから見れば夢を諦めたダメ人間に見えるだろうか。でも私には、彼らがダメな人間だとは思えなかった。
この出会いから、私の世界に少しずつ変化が訪れる。
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