私から見える世界

東山 月菜

第1話 愛想笑い

昔からの癖だった。誰とも群れることなくひとり孤独に生きてきた私は人に話しかけられると、笑顔を作り対応する。最近では、作ろうとしなくたって笑顔が勝手に作られてしまう顔になってしまった。何があっても笑顔を忘れないように。人に嫌われないように。その一心で私は人と近づきすぎず、離れすぎずの距離を上手く保ってきた、つもりだった。

わかってたんだ。実際はただの空気でしかなくて、私がいようがいまいが他人にはどうでもいいってこと。それでも、必要とされたかったのかな。愛想笑い作って、頼まれてこと全部引き受けて…。馬鹿だと自分でも思う。結局相手側にいいように利用されてるだけなのに。そんなことでしか自分の存在を示せない私がずっと、嫌いだった。

そんなふうに卑屈に生きてきた私の分厚い程壁を壊そうとした人たちがいた。高校の時に出会った、3人の男子高校生によって、私の世界は大きく変わることに今はまだ、気づきもしなかったんだ。

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