みんなの戦争b

 他人と違う感覚を抱えて生きる人間が天才なら

 誰だって天才ってことになるから

 肩でも組みあって高らかに歌えればいいのに


 そんな日がくることはありえないから

 明日、真っ暗な朝、竹槍持って走り出す

 マシンガンにも戦車にも勝ち目はないけど

 他に武器なんてないからやるしかないんだ

 馬鹿だと笑って銃殺してくれ


 子どもの頃、

 学校が爆破されればいいって願ってた

 大人になった今、

 戦争になればいいって思ってる

 まともになれないのは酸素が足りないからさ

 ガスマスクをつければちゃんと呼吸できるし

 ちゃんと現代人をやることもできる

 ただ、吐いた息はとても嘘くさい


 ひそやかに戦争は始まっている

 いつかガスマスク捨てて

 素顔のまま突撃する日がくるのだろう

 そのときがきたら竹槍の出番で

 ありったけの力をこめて風穴あけてやる

 そんな証明の日を待ちわびている


 夜明け前が最も暗い

 そう信じて

 甘ったるい缶コーヒーを飲みながら

 朝焼けを待っている

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