第5話


「ふぅ。終わった終わった!

で、今日はどこに連れて行ってくれるの?」


楽しみ楽しみと言った様子でこっちを見る鈴音さん。あまりの可愛さに思わず顔を赤らめた。赤くなる恥ずかしさでもっと顔が赤くなる。


「え、え、どうしたの?暑い?」


心配そうにこっちも見る鈴音さん。うぅ…恥ずかしい…


「な、なんでもないです!

それより今日行くところなんですけど、僕が小さい時に行った思い出の場所なんです。

展望台からの景色が綺麗で…鈴音さんがイタリアに行く前に見てほしいなぁって。…どうですか?」


「いいじゃんいいじゃん!勝也くんの思い出の場所か。楽しみ。じゃあ私着替えてくるね。」


そういうと鈴音さんは2階の更衣室に向かっていった。


こうやって鈴音さんの着替えを待つのも今日で最後かぁ。さみしいな。




20分程度待った後、鈴音さんが降りてきた。


「ごめん、遅くなっちゃって。ちょっとおしゃれしてみたんだけど…どうかな?」


いつもヘアゴムで1つにくくっている鈴音さん。今日は長い髪の毛を下ろしてふわっとしていた。白いニットカーディガンとチェックのスカート、茶色のトレンチコートが良く似合っていた…というか似合いすぎていた。


「鈴音さん…似合いすぎです。」


思わず言ってしまった言葉に顔が赤くなる。鈴音さんも顔を赤らめ、2人して顔が赤くなってしまったのでなんだかおかしくて笑ってしまった。


「じゃあ行きましょうか!」


「今日の勝也くんは頼もしいね?」


そう言って笑う鈴音さん。


「任せてください!」





俺と鈴音さん。2人のデートが始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る