第3話

鈴音さんに見せたいものがあるんです!とは言ったものの…

鈴音さんが喜んでくれるかわからないし自信がない。



エアロプレスから1番近い最寄駅から1時間かけて、そこからまた歩いてロープウェイに乗ったら着く場所。俺の小さい頃の思い出の地。


クリスマスの日に欲しいものが手に入らなくて泣き叫ぶ俺を、ロープウェイに乗って移動して。あまりの綺麗さに驚いて、今でも目を瞑ったらあの景色が蘇ってくる。


景色を見た瞬間に泣くの辞めたのにはびっくりしたわよって母さんよく言ってたなぁ。


鈴音さんがどう思うかは分からないけれど、やっぱりここに行こう。俺の思い出の、綺麗な景色を一緒に見たい。




鈴音さんと一緒に。

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