第4話 独り立ち
計4回の脱皮を終え、私はかなり身体も大きくなったし、身体の模様も少し変化した。
今までは仲間たちのフンのニオイが好きで近寄っていたけど、今は違う。ニオイは好きだけど、仲間たちの体のニオイが好きじゃない。
(悪いけど、私はそろそろ独りで出歩くことにするよ)
私がそう考えていることは、当然、他の仲間たちも同じことを考えていた。そうして、お母さんからみんな、旅立っていった。
(新しい住処を探さないと)
新しい住処としての条件はやはり、近くに餌があること、近くに水があること、暗くて遮蔽物があり身を隠せるところである。
私は、糞をポタポタと落としながら周囲を散策した。
散策していると、後ろから何かが近づいてきていることに気付いた。
(食われる!?)
後ろを見ると、私たちと同じ形をしたのがいた。一緒に産まれた仲間かどうかはわからないが、敵意は感じない。一緒についてきているだけだった。
(私も、誰かの後ろについていきたいんだけどなぁ)
そんなことを思いながら、休めそうな場所を見つけた。後ろからついてきた子も同じところに居座ろうとしていた。
特に追い出す理由はないのでそのまま放置することにした。
しばらく休憩した後、再び徘徊を始めた。
すると、明るいところを見つけた。初めての光である。
(明るい!行ってみよう!)
その光が漏れているところからは風も流れてきており、その風にはお腹が空くようなニオイも含まれていた。
私は、その光と風が漏れている穴から顔を出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます