第4話 独り立ち

 計4回の脱皮を終え、私はかなり身体も大きくなったし、身体の模様も少し変化した。


 今までは仲間たちのフンのニオイが好きで近寄っていたけど、今は違う。ニオイは好きだけど、仲間たちの体のニオイが好きじゃない。


 (悪いけど、私はそろそろ独りで出歩くことにするよ)


 私がそう考えていることは、当然、他の仲間たちも同じことを考えていた。そうして、お母さんからみんな、旅立っていった。


 (新しい住処を探さないと)


 新しい住処としての条件はやはり、近くに餌があること、近くに水があること、暗くて遮蔽物があり身を隠せるところである。


 私は、糞をポタポタと落としながら周囲を散策した。


 散策していると、後ろから何かが近づいてきていることに気付いた。


 (食われる!?)


 後ろを見ると、私たちと同じ形をしたのがいた。一緒に産まれた仲間かどうかはわからないが、敵意は感じない。一緒についてきているだけだった。


 (私も、誰かの後ろについていきたいんだけどなぁ)


 そんなことを思いながら、休めそうな場所を見つけた。後ろからついてきた子も同じところに居座ろうとしていた。


 特に追い出す理由はないのでそのまま放置することにした。


 しばらく休憩した後、再び徘徊を始めた。


 すると、明るいところを見つけた。初めての光である。


 (明るい!行ってみよう!)


 その光が漏れているところからは風も流れてきており、その風にはお腹が空くようなニオイも含まれていた。


 私は、その光と風が漏れている穴から顔を出した。

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