事実は小説よりも奇なり

 ちょっとあまりにもリアルタイムすぎるのでまだ詳しく書けないんだけどさ、ドラマか! と思うような出来事に遭遇しております。

 あまりに陳腐でネタにもならんわ。

 胸糞悪いから小説としては書きたくないしね。


 わたしは自称サイコパスなので、正直言ってわたしとあれが同類だとは思われたくない。

 だからここでは彼をサイボーグと呼ぼう。

 教師がさ、まだ10歳にも満たない子どもらに対して恫喝まがいの真似をするんだってよ。

 教室中が毎日怯えきってるんだってよ。

 教育現場で、人を殺すはなしをするんだってよ。

 命の尊さを教えるためじゃないよ、親が子どもを殺すのが前提になったクイズゲームよ。

 内容は、ちょっとこんなとこには書けないレベル。

 便所不倫なんて軽く凌駕してしまう衝撃的なはなしだったわ。

 少なくとも、まだ良いことと悪いことの区別もろくにつかんような子どもらの授業で使うべき題材ではなかった。

 教育現場にあるまじきはなしだったよ。

 独裁政権みたいよ。


 人の本質なんて、表情見りゃ大体分かるもんです。

 取り繕ったらその取り繕った顔が見えている。

 長期休みだったからさ、ろくに学校の様子を把握できてなくて、本人をわたしが見たのは一度きりなんだけど、一目見て

「わたしこの人嫌いだな」

って、思っていたんだよ。

 そしたらまぁ出るわ出るわ凄いよ。

 うちの子もね、帰ってきたときにいつも

「学校どうだった?」

って聞くんだけど、去年までは毎日

「楽しかったよ!」

って言ってたの。

 今年に入ってからね、言わなくなった。

「どうだった?」

「別に、普通だったよ。なんもなかった」。


 嫌なことを嫌だって、親に言える子もいれば言えない子もいるわけさ。

 怖いって思ったその感情に無意識に蓋をして、なかったことにしようとしてしまうタイプだっているわけさ。

 でも分かるよ、だってどんどん言動が乱暴になってくるんだもん。

 あいつ教育者として悪影響しかない。


 昨夜も深夜まで他の保護者の人と相談しててさ。

 学校の対応は後手後手よ。

 本人が隠すから、どこまでちゃんと把握しているのかも分からない。

 でもさ、隣のクラスの先生が

「もう危ないと思ったら、どこでもいいから別のクラスに走って逃げるんだよ」

って、うちのクラスの子どもらに伝えてるんだって。

 学校だよ?

 ありえないよ。

 なんであんなの野放しにしてるんだ。

 去年までどうなってたんだよ。


 コロナの影響でまだクラスの全保護者を把握できてないけど、この少ない範囲で既に結構な量が出てる。

 まだ一月も経たないのにこんな状態で、とてもじゃないけど一年もあんなのに子どもを預けるわけにはいかない。

 そのうち命を脅かされてしまう。

 時間をかけていられない。


 だから、わたしもちょっと動こうと思ってて、今ね、情報収集して準備中なんです。

 担任替えてもらいたいの。

 あれは、本人は変わらないからね。

 他のお母さんたちが「理解できない」って口を揃える中、客観的に彼を理解できてしまう辺り、わたしもやっぱり同類なんだろうか。

 彼がどういう人間かが、わたしには分かるぞ。


 さあて。

 自称サイコパスと他称サイボーグは、どっちが勝つかな。

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